オランダの著名人たちが中心となって発足した、『スゥイート・リンクス』というチャリティ・プロジェクトが、軌道に乗りつつあります。これは、災害で親や家を失った、世界中の恵まれない子供たちのために、料理好きの著名人や一般人たちが集まり、自家製ケーキを焼いて販売するというもの。これらのケーキを売って得たお金は、慈善金として、子どもたちへ送るというのがその活動です。

この活動のきっかけとなったのは、趣味で ケーキを焼く人たちからの『嘆き』から始まったといわれています。お菓子作りが大好きな人たちにとって、作るのは楽しいですが、食べてくれる人が見つからないのは寂しいもの。しかし、自分で作った素人はだしのケーキを、この『スゥイート・リンクス』のチャリティ団体に登録すれば、そんな悩みも即、解決！団体のほうからケーキの依頼が来たら、早速、自慢のケーキを焼いて提供すればいいのです。

団体員たちは、焼かれたケーキを集め、このチャリティに協賛する企業のミーティング会場や、ワークショップに持参します。そして、その場に集まった人たちに購入してもらう、というわけです。また、大手企業では、社員の誕生日や出産祝いなどのために、ケーキを大量に発注し、その代金を団体に寄付することも行なっています。

これらケーキによる収益金は、特にアフリカや南米の恵まれない子供たちの医療費として、現在、有効に使われているそうです。また、ケーキを焼いて提供した人たちの元へ、これらの子どもたちから、手作りのカードとちょっとしたメッセージが届くシステムを設けているため、自分のケーキで誰が幸せになっている、ということを知ることが出来ます。

自分の作った得意ケーキが、子どもの命を救う、このプロジェクト。チャリティにあまり関心がなかった若者たちも、ケーキを焼いて子どもたちを間接的に幸せにできる、ということで、たくさん参加しているのも、このプロジェクトのユニークな点だそうです。オランダのみならず、ベルギーやルクセンブルグからも、参加希望者が増えているということで、国内外から注目を集めています。

レポーター「フリードリヒス　カオル」の最近の記事

• コロナからインフレと続き、移住を考える人が静かに増えているオランダ
• オランダのアルバイト事情
• ベジタリアン用のグミ菓子はいかが？

「オランダ」の他の記事

• コロナからインフレと続き、移住を考える人が静かに増えているオランダ
• オランダのアルバイト事情
• ベジタリアン用のグミ菓子はいかが？