オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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2008年のリーマンショック以来、ヨーロッパの経済状態は低下したまま。オランダもその例にもれず、未だに不況から脱することが出来ません。失業者数はうなぎのぼり、特に40代から50代の年齢層に至っては、一旦失業してしまうと、再度就職をするのが非常に困難であり、へたをすると定年(オランダは67歳)まで、失業保険で暮らすことを余儀なくされるケースも出てきそうだといいます。


仕事があればまだ安心・・・

仕事があればまだ安心・・・

男女雇用均等法を地で行き、女性の社会進出度も高かったオランダですら、不況に屈したままで、特に35歳以上の女性の失職が目立っています。この年齢くらいの女性というと、小学校から高等学校へ通う年齢の子どもたちを持つ人も多いのですが、母親である彼女たちが家にいることで、家族の生活にも変化が現れているようです。


変化というのは、それまでは朝9時ごろから午後5時まで、ほぼ毎日、外に出て働いていた母親が、家にいるようになって子どもたちと接する時間が急に増えたことを指します。これは、多くの子どもたちにとっては大きな喜びとなっているそうです。父母のどちらも共働きをするのが一般的なオランダではありますが、やはり、両親のどちらかが家にいるのと、いないのとでは大差があるようです。


学校が終わっても、まだ学校?のような、オランダの託児所

学校が終わっても、まだ学校?のような、オランダの託児所

たとえば、両親揃って多忙な日々を送る家庭の子ども多くは、他人からの注目を得たいがために、わざと怪我をしてみせたり、少しのことにも大げさと思われるほど過剰反応することが多いようです。しかし、こういった子どもたちも、母親が家にいるようになって以来、他の子どもと同じように、『普通の子』になった、といわれるほどだそうです。つまり、母親が適度に注意を向けてくれるようになったからでしょう。


確かに、両親共働きであれば、家計が苦しくなることはまずありません。しかし、そのために子どもたちは、『家に帰っても親がいない』『家に帰りたいのに、下校後は保育園にいかなくてはならない』など、親に会えずに寂しい思いをしている子が非常に多いのです。不況で経済状態は悪いままですが、母親が家にいるということで、家庭状況がいい方向へ変化し、『昔なら、ごく当たり前』の状態に戻っているようで、子どもたちも家に帰るのが楽しみになった、ということなのでしょう。


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