いたるところに数えきれないほどあるスイスの湖ですが、フリブール州にあるグリュイエール湖は、ちょっぴりユニークな湖です。この湖はダムとして使われるために作られた、いわゆる人口湖なのですが、風光明媚なところにあるからか、人々が散策したり、夏はボート遊び、水遊びをする人たちの姿を多く見かけます。周りの牧場でキツネたちが頭をひょこっと出す姿も見られるのどかな地域です。

　さて、このグリュイエール湖の特徴として、湖中にオゴズ島（L´île d´Ogoz）の存在があります。もともとは小さな村であったのですが、ダム建設の際に水中に沈み、今は城の廃墟と小さな教会が島となって残るのみ。
　
　

　普段はボートなどで島へ渡る必要があるのですが、毎年２月半ばから４月半ばまでの約２か月の間だけ、ダムの水の調整の関係で水位を落とすため、その間は湖に出現した道を歩いて、島へ行くことができるのです。
　
　さっそく道が現れている間に急いで行ってみると、本当に小石がゴロゴロした道が島まで続いていました。

　島はとても小さく、島内には１３世紀に建てられたと言われる、お城の廃墟が目前にそびえ立っています。この島でイベントを行ったり、結婚式の披露宴をしたりする人たちもいるのだとか。

　実際２年前の夏、夫が同僚たちと、このグリュイエール湖でボートを漕いでいる時に、ちょうど島で行われる披露宴の会場へ向かう、白いドレスの花嫁さんが乗った舟と行き交ったのだとか。
その話を聞いて、思わず私の頭の中で『瀬戸の花嫁』の歌が流れたのでした……（ここでは<グリュイエール湖の花嫁>ですけどネ！）

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