ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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自然と人工が織りなすリオの遠景は美しいが…

自然と人工が織りなすリオの遠景は美しいが…

 3月1日に市制450年を迎え、来年8月には夏季オリンピック開催のリオデジャネイロ市(以下、リオ)。1年半後に控え今、道路の整備や選手の宿舎、ホテル建設が急ピッチで進む。しかし、路地や客船が接岸する港にはゴミが散乱、「世界の三大美港」を自慢する町が泣いている。


 2月14日、客船『ぱしふぃっく びいなす』でリオの港に降りた。接岸の際に岸壁と船体の間にペットボトル、紙くず、空きカン、木切れなどが多数海面に浮いていた。埠頭はグァナバラ湾の一角にある。同湾はヨット競技の会場だ。
 港湾局の女性の話によると、「リオ州環境局の清掃専門船が巡回するが捗らない」という。有力紙『フォーリャ・デ・サンパウロ』は3月4日付で「昨年430トンのゴミを回収」と報道したが、ほんの一部にすぎない。


 リオ埠頭に並行する大通りでは古い高架式高速道路を壊し地下道路の工事中だった。「オリンピックまで間に合わないだろう」(リオ在住約40年の日本人会社員)と話す。また、沿道から別れる小道の建物に目をやると壁には落書きがいっぱいだった。市内の美観を損ねているのは言うまでもない。


 筆者は50年前の学生時代に石川島ブラジル造船所で実習の折、湾内のフラメンゴやボタフォゴ海岸で寛いだ思い出がある。その時は海浜にゴミなど見掛けなかった。半世紀の間に臭気漂う海水浴場に変わってしまった。
 関連話をもう一つ。当時、住宅街を散歩中に頭にチリが降ってきた。アパートの窓からお手伝いさんが捨てたのだろう。自宅は清潔、道路は汚くてもいいのか。


 さて、準備は来年8月5日の開会式までに整うか心配だ。昨年のワールドカップに続き「終わった後にすべてが完成」ではブラジル国家の面目、丸つぶれだ。


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タグ:サンパウロ

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