巣立つ前の大仕事2016番外編 最後の中学生向け模擬国連
2016.07.04 up
模擬国連会場の一つより
すでに真夏と言うべき陽気になった5月28、29日。
台北市立第一女子高級中學(以下、略称の北一女)で、中学生向けの模擬国連が開催されました。最大の特徴は、講師、運営スタッフが全部北一女の生徒たちで構成されていて、担当の英語、公民の先生たちは後方見守る形になっていることです。
この企画は、同校3年生の王欣蕾さんが、過去にハーバード大学で行われた模擬国連に参加した際、中学生の段階で国際的視野を身につけ、議論を深めているを目の当たりにし、学校に戻ってからもう一人の同級生と共に開催を提案したことがきっかけで、2014年12月20、21日に初めて実現しました。
5月のは2回目の開催ですが、中学3年生が安心して参加できるよう配慮し、5月中旬の高校入試に相当する学力考査終了後に行いました。
もう一つの会場より
2日間の日程ですが、初日は、まず模擬国連の運営と協議の仕方など基本的な知識を学び、その後3つのグループに分かれて資料の収集と議題の分析、意見書と論述の仕方、決議文と修正案の作成の仕方を1日かけて習い、最後に運営スタッフと講師を務める北一女の生徒たちがお手本を見せて終了。参加者には意見書をまとめる宿題を課し、翌日の模擬国連に備えます。
2日目は、はじめに前日に出された宿題を、北一女の生徒たちのサポートを受けながら最後の仕上げを行い、模擬国連の本会議に臨みます。
演説時間を管理するタイマー
本会議は、一人でも多くの参加者に発言の機会が与えられるよう、2会場に分かれて行いました。議題は、下記URLの高校生向けの模擬国連でも行った地中海地区で大量発生している難民問題。高校生と違い、英語ではありませんが、それを自分が担当する国家の代表として意見をまとめ、述べなければならず、中学生には大変な負担だったように思います。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2016428172756
私は、2日目の会議の様子を1日かけて見ていましたが、議事の進行、雰囲気が2会場で全然違うものになり、決議案も全然違うものになっていったのが面白く映りました。
メモを見つめる参加者
ただ、様子を見ていて、少し気になったのは、参加者間での温度差。
積極的に発言でき、参加者同士の協議でも主導権を握り、会議をけん引している中学生もいれば、ついていけなくなったのか、会議に専念できず、議事はうわの空で仲間とおしゃべりし、メモに落書きをして遊んでいる中学生もいました。
メモも、積極的に参加している中学生たちの間では頻繁に交わされますが、そうでない中学生たちは、そのまま。協議でも、ただその場にいるだけで何もしない、という感じの中学生もいました。
最後は全員で記念撮影
それでも、両会場で決議案がまとまり、上の写真のように全員で記念写真に収まることができました。
閉会式では、決議案の作成と議事の進行に大きく貢献した参加者の表彰も行われ、模擬国連は終了しました。
この記事を「巣立つ前の大仕事」シリーズにしたのは、発起人の王欣蕾さんをはじめ、4人の3年生が運営に携わっていたからです。6月3日に卒業式を迎える3年生4人にとっては、高校生活最後の模擬国連であると同時に、過去に紹介してきた卒業式の準備同様、最後の大仕事でもありました。
特に、王さんは、マスコミの取材対応だけでなく、2会場での会議の進行を見守りながら参加者を指導したり、時には議事の進行で悩む議長役の後輩たちにアドバイスを送ったりと、様子を見ているだけでも超多忙と分かる状態でした。
参加者の中学生だけでなく、運営に携わる高校生の生徒たちも多くのことを学ぶ絶好の機会になった中学生向けの模擬国連。今後も開催が期待されるだけでなく、台湾の教育界にどのような影響を与えるか。
その答えが出るのは、これからだと思います。
【参考】
中学生の模擬國連ホームページ
http://juniormodelunitednations.weebly.com
同facebook
https://www.facebook.com/JuniorModelUnitedNations/
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