ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロの広場や街路樹でよく見かける桑の実

サンパウロの広場や街路樹でよく見かける桑の実

 10月のサンパウロは春真っ盛り。日中は初夏を思わせる暑い空気に包まれる日もあります。

 広場や街路樹、庭に植えられた木々に、春の陽気で花を咲かせ始めたいろいろな植物が、種子やフルーツを実らせる光景が目に留まります。

 そんなフルーツの一つが桑の実です。ポルトガル語では「アモーラ」と呼ばれます。広場によく植えられ、熟れるとそのフルーツが落果し、木の下や近くの地面を赤黒く染めて甘酸っぱい匂いを放っています。


サンパウロの広場や街路樹でよく見かける桑の実

サンパウロの広場や街路樹でよく見かける桑の実

 甘酸っぱい香りに引き寄せられるのは人間も動物も同じです。

 小鳥、アリは赤く色づいた桑の実をついばみ、人間がつまみ取って食べようとすると、既にアリが熟したてのフルーツに陣取り、巣と往来して行列を成していることも珍しくありません。

 ブラジルのポピュラーなアリで、自分の体よりも大きな葉の切れ端や桑の実の断片を運んでいることもあるアリ(グンタイアリの一種)の行列を観察していると、アリにとって脅威は人間や鳥だけでなく、仲間のアリであることもうかがい知れます。一匹のアリがせっせと運ぶフルーツの断片を横取りしようと、アリ同士でけんかしていることもあります。人間も他の生物社会もなかなか世知辛いです。


桑の実を競い合って運ぶアリ

桑の実を競い合って運ぶアリ

 香りや甘そうな見かけに反して、広場の桑の実は食べると酸味が際立ちます。

 そんなたわわに実った桑の実をたくさん収穫するブラジル女性を時々見かけます。生食したり、ジャムにでもするのでしょうか。ジャムにしてみると、酸味もほど良く、豊かな食卓の一品になります。

 一年中、フルーツのある風景には事欠かないブラジルです。


広場で桑の実を収穫する女性

広場で桑の実を収穫する女性


手作りの桑の実ジャム

手作りの桑の実ジャム


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