オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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「捨てライオン」のロミー(画像提供:UTVユトレヒト)

「捨てライオン」のロミー(画像提供:UTVユトレヒト)

 オランダの中心部に位置するユトレヒト市の近く、ティンホーフェンという町で、びっくりするような出来事がありました。ある広々とした野原で、何と「捨てライオン」が見つかったのです。発見者は、ジョギングを日課にしていた人で、野原の近くを走っていたところ、偶然、発見したのだとか。

 ライオンはまだ幼く、大型犬用のケージ(おり)に入れられ、野原にたった一匹で取り残されてしまった、という感じだったそうです。発見者は驚きながらも、すぐに警察や獣医に連絡。駆けつけた獣医が”身体検査”をしたところ、生後4カ月のオスで、健康状態は比較的良好ということが判明しました。


大型ネコ科動物を受け入れるためのシェルター内部(フリー画像)

大型ネコ科動物を受け入れるためのシェルター内部(フリー画像)

 その後、オランダ北部の町、アンナ・パブロウナにある大型ネコ科動物専門のシェルター(保護施設)「Stichting Leeuw(スティフティング レーウ)」に送られました。このシェルターは、大型ネコ科動物の保護を目的とする慈善団体で、サーカスなどで酷使された大型ネコ科動物を引き取り、余生を送ってもらう場所を提供する目的で運営されています。シェルターの人々から、「ロミー」と名付けられたこのライオンの子も、その中に加わったわけです。

 ロミーは現在、健康診断を受けながら、シェルターでの生活に徐々に慣れていっているそうです。警察は引き続き、ロミーがなぜ、野原に捨てられていたのかを調査するとともに、捨てた人物の捜査に全力を挙げています。

  担当獣医も、発見者も、警察も皆があっと驚いた「捨てライオン」のロミー。どのような経由でオランダまでやって来たのかは依然、謎のまま。ロミーがいるシェルターに収容されている、ライオンやトラたちのほとんども、おりの中で生まれ、暮らしてきた経歴を持っていますが、人間のエゴで動物を使い、不要になれば放棄するというような野蛮な行為がなくなることを心から願わずにはいられない、ちょっとした事件でした。





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