街を彩る人気アーティストの原点にスペクトルマン
2018.02.11 up
ジョアン・エドゥアルド・ドゥアルテさんと作品の数々
サンパウロで今人気のアーティストの一人といえば、造形作家ジョアン・エドゥアルド・ドゥアルテさん(41)です。通称エドゥアルチ(EduArtes)の名前で活動されています。
人気の秘密は、親しみやすく風景に溶け込んでいながら、ありそうで他にはないオリジナリティーにあふれた画風と言えます。
最初に見掛けたのはサンパウロ市内の一軒のポルトガル菓子店マリア・クリスチーナの屋内に飾られたパネルの絵でした。オーナーシェフ、マリアさんにそっくりな似顔絵と、見ていてワクワクするようなお菓子作りの工程が描かれています。
ポルトガル菓子店マリア・クリスチーナに飾られたジョアン・エドゥアルド・ドゥアルテさんの作品
幼少期から絵に親しみ、4歳でブラジルの国民的漫画「トゥルマ・ダ・モニカ(モニカとなかまたち)」のキャラクターをまねて絵を描き始めたというエドゥアルドさん。他に巨大なモンスターと戦う日本の「スペクトルマン」を描きたいという情熱が絵の道に進むきっかけだったと言います。
鉛筆や絵筆を使ったイラストからエアブラシを用いた壁画の大作まで手掛けます。大きな壁やパネルに描くのが最も好きということで、ブラジル人ではありますが、祖父母はイタリア移民というだけに、レオナルド・ダ・ビンチやラファエロよろしく、イタリア系の気風が内に秘められているかもしれません。
画風は、ルネサンス期の画家をはじめ、雑誌MAD(米国の風刺雑誌)やフランク・フラゼッタ(1928~2010年)の英雄コナンシリーズ、トム・リッチモンド(1966~)のようなアーティストたちに大きな影響を受けたそうです。
好んで多用するエアブラシはブラジル製もありますが一般的ではなく、「日本のものが世界でもっとも高品質」とエドゥアルドさん。ただ、大きな画面に描くにはそこまで細密な機器は必要なく、日常的に使用しているのは米国製とのことです。
ジョアン・エドゥアルド・ドゥアルテさん
口コミや絵を見掛けたという人を通じ、あちこちから仕事の依頼が入るようになったといいます。美術学校を経てオフィス勤めの後、アーティストとして活動を始めたのは2000年からで、現在は多国籍企業から個人のクライアントまで、ブラジル各地から注文を受けて制作しています。
小雑誌の挿絵、企業の広告、オフィス、レストラン、室内装飾、プロモーション作品など、400点以上の壁画、絵画をこれまで制作し、無数のデザイン、イラスト、絵も手掛けてきました。イベントでの出張似顔絵サービスや記念撮影用のパネルなどもよく声が掛かります。似顔絵はスケッチなら約4分で個人の特徴をしっかりつかんだ絵を仕上げてしまうのはさすがプロです。
前述のポルトガル菓子店のマリアさんは、サンパウロ市内の別のポルトガル菓子店カフェ・アルチ・ナタを訪れた時、掲げられていたエドゥアルドさんの絵を気に入り、ぜひ自分の店にもお願いしたいということになったそうです。
ポルトガル菓子店カフェ・アルチ・ナタに飾られたジョアン・エドゥアルド・ドゥアルテさんの作品
通り掛かったサンパウロ市の公共交通機関博物館で、さりげなく置かれていたサンパウロ市のバスをデザインした記念撮影用パネル。市のバス会社のイベントのために制作したもので、イベントの後、同博物館へ移されたそうです。
市内のショッピングセンターでユニークな記念撮影用パネルがあると思ったら、エドゥアルドさんが制作したものだったということもありました。
サンパウロの町中でひそかにおっと目を引かせるエドゥアルドさんの作品。今後の活躍がさらに楽しみなブラジルの旬なアーティストです。
エドゥアルドさんがこれまで手掛けた作品の一部はホームページでも紹介されています。
https://www.eduartes.com/
サンパウロ市の公共交通機関博物館に置かれたジョアン・エドゥアルド・ドゥアルテさん制作の撮影用記念パネル
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タグ:ブラジル,ジョアン・エドゥアルド,アート,アーティスト
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