ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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自宅で一時預かり保育を始めたハケル・ロッファーさん

自宅で一時預かり保育を始めたハケル・ロッファーさん

 「ある時、乳幼児を連れたお母さんが銀行の行列に並んで待たされているのを見て、本当に大変そうでした。銀行に行く間だけでも私が預かることもできるのに、見ず知らずの人にいきなり誘うこともできません。それで、思い切ってどんな時間でも臨機応変に対応できる乳児、幼児の一時預かり保育所を開くことにしました」と話すのは、生まれも育ちもサンパウロ市のハケル・ロッファーさん(42)。ハケルさんは昨年末、自宅での一時預かり保育を本格的に始めました。

 核家族や働く女性も多い大都市サンパウロ。交通マナーや治安もいつでもどこでも決して安心とは言えず、乳幼児を抱えて外出するお母さんには完全にオーガナイズされた町とはいえません。

 町で困っていればどこからともなく手を差し伸べて助けてくれる人が現れるブラジルですが、確実に手助けが得られる保証はありません。

 公立私立を問わずサンパウロには幼稚園や保育園が身近にたくさんありますが、いつでもどんな時間でも臨機応変に一時的に預かってもらえる託児所はほとんどありません。


ハケルさんの保育所での一こま

ハケルさんの保育所での一こま

 そんな状況を見て、いつでも1時間単位で乳児、幼児を預かる在宅保育を始めたハケルさん。ユニークなのは、若いころから日系人を通じて細やかな日本文化が好きで、日本語でも接することができるような一時預かり保育をしたいということで、道路から見える壁にはひらがなで「ほいくえん」と自分で書いてしまったことです。サンパウロらしい話です。

 子どもの頃から妹や弟の面倒を見て育ち、乳幼児の世話が好きで、長年子どもの世話をする仕事に携わりたいと思っていました。長い間その願いはかないませんでしたが、昨年には専門学校で子どもの世話をするための認定資格を取得し、一人娘のアナさんが高校生に上がったのを機に、思い切って自宅アパートで一時預かり保育を始めることになりました。学校から帰宅すれば娘さんも手伝います。


日本語で壁に「ほいくえん」と描くハケルさん

日本語で壁に「ほいくえん」と描くハケルさん

 人ごみに買い物に行ったり、美容院に行ったりする間に利用するお母さんからの反応は好評です。一時間30レアル(約1000円)からで、お母さんが少し遅れてもブラジルらしく超過料金も取りません。

 細やかな気配りのできるハケルさんだけに、短い間隔で写真を撮ってはお母さんに送信するので、外で子どものことが気になるお母さんにとっても安心です。

 臨機応変な一時預かり保育所は、お手伝いさんや保育所とは違った形でお母さんたちの力強い味方です。サンパウロでは意外と少ないものの、社会で必要とされている時代かもしれません。


iフォンで預かっている子どものお母さんに写真を送るハケルさん

iフォンで預かっている子どものお母さんに写真を送るハケルさん


ハケルさんの保育所での様子

ハケルさんの保育所での様子


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