９月９日、スウェーデン総選挙が行われました。

　結果は、極右が票を伸ばし、左派と右派は拮抗（きっこう）する形になったことは、日本でも各マスコミで報道されているようです。日本に比べても人種のるつぼですから、減税、労働時間削減、難民受け入れなどに対しても、賛否両論さまざまな見解があることが反映されているように見えました。

　しかし選挙で必ず出てくるのが「無効票」です。スウェーデンでは、白紙以外のものは、どのように書かれていたのか、２票以上あったものについては選挙公式ホームページで公表されています。今回の分は集計中で、完了まで２、３カ月かかるそうですが、過去の選挙でのそれらを読んでいると、笑わずにはいられないものです。

　面白いと思ったものを挙げると、

Kalle anka partiet（ドナルドダック党）
Mor（お母さん）
Kungen（王様）
Spritpartiet（蒸留酒党）
Barnpartiet（子供党）
Banan demokraterna（バナナ民主党）
Blankröstpartiet（白紙投票党）
Jultomten（サンタクロース）
Mig själv（自分自身）
Missnöjd（ガッカリ）
Bastudemokraterna（サウナ民主党）
Bitcoinpartiet（ビットコイン党）
Gud（神）
Hårdrockpartiet（ハードロック党）
Ingen（何もない）
Kärlek（愛情）
Nallepartiet（ぬいぐるみ党）
Ninjapartiet（忍者党）
Robotpartiet（ロボット党）
SOS
Våfflepartiet（ワッフル党）など…。

　特に冒頭のKalle Anka Partiet（ドナルドダック党）は、既存の政党に支持するものがない人が投票するために創られたジョーク政党なので、当然無効票扱いですが、毎回200票前後の得票があり、政党得票率はこれまで９位だそうです。

　その他の上記のものは、いずれも数票～数十票の無効票の例ですが、サンタクロースやワッフル党、サウナ民主党など、ほんわりと北欧らしくて、スウェーデン人のユーモアのセンスは素晴らしいとも思えました。

　スウェーデンの選挙での無効票は、最も多い白紙と、候補していない政党への投票や、このような投票、全て合わせて約1～2%あるそうです。

　ちなみに日本では、15年程前の選挙ではサッカー選手の「トルシエ」の票が100票以上、「政治を良くしろ！」「入れたい人はいない」などという票もあったとか。また「しずかちゃん」と書かれた票が、亀井静香のことで有効票になった（敬称の類は可なので）こともあるそうです。

　しかし、無効票に書かれていたものを公表することに、何の意味があるのか？　行政的には無効であっても、国民のユーモアや思想を反映している面では、誰もが閲覧できるのは良いかもしれませんね。

　ドナルドダックも喜んでいるかも…。

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