ドイツのお葬式に参列
2019.08.14 up
ドイツの墓地は広々としており、緑も多いので公園のよう。サイクリングや散歩をする人も多くいて、明るい雰囲気。
世間は夏休みだった頃、そして日本はお盆であったころ、お葬式へ参列することとなりました。ただし、筆者が在住しているスイスでの葬儀ではなく、ドイツでのお葬式でした。
今回お葬式でドイツに行くことになったのは、50代半ばであった夫の叔父が急逝したからでした。とはいえ、実は叔父が亡くなったのはお葬式が行われた日の一か月も前のこと。日本であればよほどの事情でもない限り、亡くなってから葬儀まで1か月も間が空くことはないと思うのですが、今回夏休みという時期だったため、旅行で家を空けていた親族がほとんどだったことから、結局親族全員がそろえる日というのが、ひと月後だった――という事情だったようでした。
お葬式の後は、親族でコーヒーやケーキ、サンドイッチなどをいただきました。
ドイツでのお葬式に参列するのは、これで2度目になります。
初めてドイツで葬儀に出たのは、12年前に夫の祖母が亡くなった時だったのですが、その時は1週間後に式があり、埋葬も土葬でした。そのため、今回の叔父のお葬式も同じような感じなのだと思っていたのですが、叔父はお葬式の日を待たず、既に火葬されていて、骨壺が遺影や供花などと共に祭壇に祀られていました。
しかも叔父は「樹木葬」で送られることになっていたので、これらの祭壇は葬儀場ではなく、墓地の一角に設置されており、式もそこで行われるという、戸外でのお葬式だったので少し驚きました。というのも、夫の祖母の時は教会の牧師さんが式を取り仕切られていたからです。
こうして戸外でのお葬式が始まったのですが、葬儀社の方が進行をされていました。まず、叔父がいつ生まれてどこで育ち、どういう人生を送ったか、そして亡くなるまでを、あらかじめ遺族から聞いていた様々な逸話なども取り混ぜつつ、お話をされていました。
そして、ところどころに叔父の好きだった曲も、何曲か挟みながら進行していく形であったため、何だかまるでラジオ番組を聞いているような気分になりました。
樹木葬で送られた叔父のお墓。若い樫の木の根元に眠っています。
式の最後に、墓標として植えられた樫の木の根元にお骨を納め、参列者が一人ずつバラの花びらを一掴みと、スコップ一杯分の土を骨壺の上からかけていきました。
なんだか日本のお焼香の様子を思い出させるような光景でした。
お葬式の後は、親族でコーヒータイムです。
夫の祖母の時は、牧師さんも一緒に遺族とレストランへ行きましたが、今回は義理の両親宅でコーヒーと軽食をとり、故人との思い出話やお互いの近況を話し合ったりして時を過ごしました。
いよいよコーヒータイムも終わり、帰宅する時間になるという時に、全員で故人(叔父)の送った人生をたたえるべく、シュナップス(Schnaps)と呼ばれるアルコール度の高いお酒で乾杯し、そしてみんな帰途につきました。
日本のお葬式に比べると、少しドライなイメージが強かったドイツのお葬式だったのですが、今回のお葬式は悲しい気持ちながらも、親族がとても前向きに明るく故人を見送ろうとしている姿が印象的で、とても素敵なお葬式だったな、と思いました。
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