メキシコにも数多くの「お遍路道」があり、毎年1～2 月に全国から巡礼者の集まる街San Juan de los lagos サンフアンデロスラゴスがこのメキシコ中央高原地帯では特に有名です。
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　巡礼の時期を外して、数多くの奇跡を起こし地域で一番有名な聖母マリアが祀られているその名も「サンフアンデロスラゴスの我らの聖母寺院」に行ってきました。

　 グアダラハラから車で約２時間。人口７万人のこの村にあるいくつもの奇跡を起こすマリア様を祭っている教会には、年間500万人もの巡礼者がやってくるとのこと。この教会のマリア様が最初に起こした奇跡は1623年。それから、病や怪我、不幸に苦しむ人々を幾度となく救い続けてきました。

　聖堂の正面の扉は開かれ、ひんやりとした空気で人々を迎え入れます。犬だってここでは静かに一休み。追い出す人などいません。祭壇上部にあるガラスケースに入った「聖母マリア」に向かい、祈りを捧げています。

　祭壇右手に、上に上がる階段があり、壁にはおびただしい数の祈祷が書かれたカード、写真、それとそれが叶えられた後の感謝のカードなど、様々なものが貼り付けられています。
　目につくものを少し読んでみると、家族の病気回復を願い書かれたもの、行方不明になった息子の無事の帰宅を祈るもの、スポーツチームの優勝を祈願したり、中には読んでいるこちらも辛くなる切実な内容があったり。

　それらカードには時に、綺麗に三つ編みされた頭髪やギター、ペンダント、自転車などが一緒に収められています。これは、その人が大切にしている物を聖母マリアに祈りとともに捧げることにより、奇跡を起こしてもらおう、とするためのささげ物。「僕の大事なギターを捧げるので、どうぞおじいちゃんの病気を治してください」そう書かれた小さなギターは、優しいお孫さんの手を離れ、願いとともにマリア様の元に届けられる、というわけです。

　メキシコ人の教会離れも昨今は進んできていると聞きますが、それでもやはり生まれ育った環境がカソリックである場合が高いので、何かの奇跡を信じたい時には教会へ、となるのでしょう。

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