ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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4月初旬、サンパウロ州アチバイアにある中沢さんの自宅の庭で、パパイアの果実が実る木と隣り合わせで咲く沖縄由来の桜(写真提供:中沢宏一さん)

4月初旬、サンパウロ州アチバイアにある中沢さんの自宅の庭で、パパイアの果実が実る木と隣り合わせで咲く沖縄由来の桜(写真提供:中沢宏一さん)

 「今年の1月、2月が例年より低温だったため、毎年6月に始まる沖縄由来の桜の開花が、2カ月早い4月に始まりました。“狂い咲き”は一部の花のことを言いますが、これは本格的です。温暖化が叫ばれる時代、逆の現象ですね。」
と話すのは、サンパウロ州アチバイア市在住の中沢宏一さん(76、宮城県出身)。

 コロナ騒動で外出自粛が続き、サンパウロ州は3月23日から4月7日までの期限が過ぎ、4月22日まで延長されることになりました。そんな中、自宅で庭いじりを続ける中沢さんは、小さな自然現象の変化にも敏感です。


4月初旬に咲いた沖縄由来の桜と中沢さん。桜の横にはパパイアが実をつけている

4月初旬に咲いた沖縄由来の桜と中沢さん。桜の横にはパパイアが実をつけている

 サンパウロ市から約50キロ離れた中沢さんの自宅の農園には、大きく分けて6種類の桜が植栽されています。その本数を開花順に記すと、沖縄系 10、大島系5、台湾系20、ヒマラヤ5、高知雪割り 10、八重咲き1となっています。残念ながら日本の桜を代表する染井吉野はアチバイアでは寒さが足りず、咲かないとのことです。

 これらの内、4月初頭に開花したのが沖縄系の3本。3月には桜の葉が黄色くなり、沖縄系の桜の落葉が始まり、4月に入ると未熟のパパイヤの実がなる木と並んで見事に花開きました。残りの沖縄系も全体的に蕾が膨らみ、例年より開花が早まっているのは間違いないとのことです。

 毎年6月からサンパウロの日系コミュニティーや公園でも『桜祭り』が恒例イベントとなっていますが、今年は『葉桜祭り』になる可能性も否めません。


4月初旬にサンパウロ州アチバイアに中沢さんの自宅の庭で咲く沖縄由来の桜

4月初旬にサンパウロ州アチバイアに中沢さんの自宅の庭で咲く沖縄由来の桜

 日本は暖冬で桜前線が狂い、毎年4月の入学式頃に咲いていたのが今は3月に咲き、東京の開花が一番早いというニュースがありました。中沢さんの郷里である宮城県の仙台や鹿児島が同時季の開花となり、世界の自然界で誰も予期出来ないことが起こっています。

 コロナウイルスも変化し続ける自然現象からのメッセージか否かは分かりませんが、コロナ禍で世界が狂わされる中、身近な風景で目にできる狂い咲きの桜は自然界からの癒しの恵みだと明るく受け止めると、少しは心も晴れやかになりそうです。
 





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