ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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NGOグルッポ・コミーダ・プラ・ケン・プレシーザが用意しているマルミッタ(写真:ヤマオ・エドガ)

NGOグルッポ・コミーダ・プラ・ケン・プレシーザが用意しているマルミッタ(写真:ヤマオ・エドガ)

 3月24日からコロナウイルスによる外出自粛制限が続くサンパウロ。そうはいっても、その1カ月後くらいからは気をつけながら商店などが密かに営業を再開し始めて、6月上旬からはショッピングセンターが時短営業を認められ、7月に入ってからはさらに町に以前の様な人の往来が見られるようになりました。7月6日からは時短営業と客数制限を設けて飲食店や美容室も営業が許可されました。

 徐々に通常の経済活動が再開されているとはいえ、社会全体の動きが完全に回復するわけではありません。失業者の問題も深刻です。食料を買うお金を得ることができない人もいます。

 こんな状況でなぜ大きな暴動も多発せず、比較的落ち着いた毎日が続いているのかが不思議なブラジル。そのヒントの一つは慈善団体を中心に実施されている無料の食事配給です。


慈善団体が来るまで運んで来たマルミッタを受け取る人々

慈善団体が来るまで運んで来たマルミッタを受け取る人々

 コロナウイルスによる外出自粛が始まって間もない頃から、サンパウロではいくつもの慈善団体があちらこちらで無料でマルミッタ(炊き出し弁当)を配布している様子を見かけます。

 昼食や夕食時になるとどこからともなくマルミッタを運ぶ車が現れたり、屋台を設けて配布している場所もあります。たいてい人を選ばず、数がある限り並んだ人皆が受け取ることができます。


マルミッタの中身(写真:ヤマオ・エドガ)

マルミッタの中身(写真:ヤマオ・エドガ)

 3月に誕生したNGOグルッポ・コミーダ・プラ・ケン・プレシーザもマルミッタを作り、配布している団体の一つです。同NGOでは7月上旬までにホームレスを中心に16万個以上のマルミッタ(炊き出し弁当)を配布してきました。

 慈善団体の他にも、飲食店の経営者が資金援助を受けてマルミッタを作り配布するようなケースも見られました。

 コロナウイルスの問題が発生する以前からホームレス向けにこの様な活動はありましたが、今回は急増しています。

 最近、マルミッタを配ることについて、サンパウロ州知事夫人が、「マルミッタの無料配布はよ良くない」と発言したと言い、生活困窮者やその人々を思う人からは批判の声がありました。夫人の意見の背景には、自立して生きていく事やそう生きられる社会が好ましいという意味合いが込められていると思いますが、現状のブラジルにおいては、夫人の意見は理想郷です。

 感染者や死者数が世界第2位にランクインしてしまったブラジル。仕事も得られず、家賃滞納をはじめ、食べ物を買うお金さえない人々が続出していますが、政府の緊急援助金や慈善団体による食事の無料提供で大きな暴動は免れ続けている面があると言えそうです。


NGOグルッポ・コミーダ・プラ・ケン・プレシーザがマルミッタを用意する様子(写真:ヤマオ・エドガ)

NGOグルッポ・コミーダ・プラ・ケン・プレシーザがマルミッタを用意する様子(写真:ヤマオ・エドガ)


慈善団体がマルミッタを配布している屋台の一つ

慈善団体がマルミッタを配布している屋台の一つ


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