ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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デイゴの花を持つ中沢さん

デイゴの花を持つ中沢さん

 サンパウロに春の訪れを知らせる最も分かりやすい植物は、ブラジルの国花である黄色いイペーです。しかし、イペーより一足早く、春一番に咲くのがデイゴです。

 「デイゴはサンパウロ市北部地域の自然林では春先一番に咲く花です。ご承知のように、日本では1993年にレコード大賞を受賞した宮沢和史さんの『島唄』の歌詞に歌われる沖縄県の県花でもあります。」
と語るのは、サンパウロ州アチバイア市在住の中沢宏一さん(76)。

 中沢さんの自宅の農場内には、ブラジルや日本の木々が四季折々に花を咲かせます。8月に入ると、これまで何の樹木か分からないまま過ごしていた木の上部に橙色の花が咲き乱れていることに気づきました。調べるとデイゴだということが分かりました。

 「コロナ禍のため今も外出自粛中で、毎日、終活のつもりで農場の手入をしていたところ、神様が素晴らしい贈り物を恵んで下さいました。半世紀前からずっとデイゴを植えたいと思っていましたがチャンスがなく、多分、隣接するヤシの木に時々トゥカーノ(ブラジルの国鳥)が止まるので、種子を運んできて、知らない内に芽を出し成木となり、見事な花を咲かせることになったのだと思います。」


デイゴの花

デイゴの花

 かつては仕事でバラ栽培にも従事し、今日まで様々な植物を育ててきた中沢さんは、中南米の植物についても長年見識を深め、独自の研究を行ってきました。
 
 中沢さんによると、沖縄のデイゴはインド、マレー半島が原産で真っ赤な花が咲くのが特徴です。デイゴはインド、マレー半島だけでなく、南米も複数の種類の原産地です。ブラジル原産のデイゴは小型で、木は20mくらいの高さになる種類が4種類ほどあり、花の色は橙系です。日本でよく知られているアメリカデイゴは、ブラジルやパラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチンが原産地で花はより紅くなります。
 
 ブラジルでは庭先にも8月9月頃になるとデイゴが咲いている自宅を見かけることがあります。
 「デイゴの花はきれいな珍しい色で、一か月以上と長く咲くのも特徴です。50年以上前から見惚れてきた花で、私も喜寿に近くなり、これからはデイゴの種子を採集して殖やしたいものです。」
と、コロナ禍にありながら、自然の恵みから新しい夢を追い続ける中沢さんです。


デイゴの木

デイゴの木




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