市議会議員選挙に立候補した日台ハーフ候補者活動記(1)
2022.12.17 up
新北市長選挙の林佳龍候補(マイクを向けられる男性)のインタビュー時に左隣でマイクを支える
台湾では11月26日に統一地方選挙が行われました。
その結果は、各報道でご存知の方も多いと思うので省略しますが、日本で報道されているような自治体の首長選挙ではなく、自治体の議会議員選挙の候補者の様子を4月あたりから注視してきました。
民進党の場合、4月下旬から5月上旬にかけて公認候補者の選考を行うので、立候補を予定している人は、早い段階から集会を開いたり、支持を呼びかけたりと動き出します。
そうして決まった候補者の中に、日本人なら注目したくなるような候補者がいました。
8月の市政説明会にて。新北市議会議員選挙に立候補した他の新人候補(山田候補の左右)と共に登壇
それが、新北市第5選挙区(板橋區)で立候補した山田摩衣(やまだ まい)候補でした。
山田候補を知ってから、その様子をS N S で見ていたのですが、7月に選挙区内の寺院で新北市長選挙に立候補した林佳龍候補と必勝祈願を行う、ということで、様子を見に行きました。
山田候補は、他の候補者同様、寺院に来ている人たちに自身の支持を呼びかけたり、林佳龍候補のメディア取材をサポートしたりと、一候補者として行動していました。
余天立法委員(手前右側でスピーチを行う男性)を見つめる山田候補(左から2人目の濃紺のベスト)
寺院での必勝祈願から1ヶ月後。
8月26日に選挙区内で市政説明会を行う、ということで、本人が何か語るのではないかと思い、また見に行きました。
内容は70~80%台湾語なので、聞き取れる内容が限られるのですが、分かったこともありました。
それは山田候補の背景にある、「父は日本人、母は台湾人、でも私は台湾生まれ台湾育ちの台湾っ子」ということ。日台ハーフですが、生まれも育ちも台湾で台湾籍を取得し、公民権がある台湾人として、選挙に立候補した、ということでした。
前記の「父は日本人、母は台湾人、でも私は台湾生まれ台湾育ちの台湾っ子」というフレーズは、その後の選挙活動時に必ず語られるものになり、同時に彼女を象徴する言葉になりました。
選挙区内の市場にて(一番手前右側の女性が山田候補)
議員選挙に立候補すると、自分の選挙活動だけでなく、自治体の首長選挙に立候補した候補者、他の選挙区の活動にも応援に入らなければならない時があります。
2枚目の写真で、山田候補の左側にいる陳乃瑜候補は新店などがある新北市第9選挙区、右側にいる卓冠延候補は鶯歌などがある新北市第8選挙区の候補者ですが、民進党の「新人候補三銃士」という感じでP R している感じがあり、互いの活動時には常に一緒に登壇する機会が設けられていました。
山田候補も3枚目の写真のように、新北市第4選挙区に入る三重區の集会にも応援で駆けつけました。この背景にあるのは、三重區にある余天立法委員の事務所に山田候補が以前勤めていたつながりで、応援に駆けつけたと見られますが、登壇した時は全く想定していないかったので、本当に驚きました。
集会来場者に支持を呼びかける山田候補
10月に入り、他の候補者と林佳龍候補と共に選挙区内の市場を回る活動もありました。この活動を見ていると、各候補者の個性が垣間見える瞬間があるのですが、経験が浅い新人候補は常に林佳龍候補のそばにいて、行動を共にすることが多かった感じでした。同時に、「市議会議員選挙の候補者に見えない」というネックも抱えることにもなり、気になったところでもありました。
10月30日の夜は板橋區の集会がありましたが、来場者を見ていると、現職の候補者の熱心な支持者に偏っている感がり、新人候補者には厳しい場になったようにも感じました。
そこに、上の写真のように切り込んでいった山田候補でした。
つづく
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