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スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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町の広場には立派なクリスマスツリーがありました

町の広場には立派なクリスマスツリーがありました

 年末年始の休暇中、ヴォー州(Vaud)のイヴェルドン・レ・バン(Yverdon-les-Bains)という町を訪れました。町の名前に「バン(Bains)」とありますが、昔からの温泉地であることを表します。

 とても小さな町ですが、立派なお城や建物が最初に目に入ります。

 イヴェルドンのシンボル的な建物は、13世紀に建ったイヴェルドン城でしょうか。サヴォワ家のお城ですが、現在はいくつか博物館が入っています。

 町の建物が可愛らしく、まるで映画のセットかアニメの中に出てきそうな町並みです。なんでも18世紀頃に建った建物がたくさんあるのだそう。


古い映画の中に出てきそうな町並み

古い映画の中に出てきそうな町並み

 さて、イヴェルドンの町の中心には広場があり、市役所前には巨大なクリスマスツリーがありました。その広場の隅に、これまた目立つ立派な像があります。子どもたちと一緒に戯れている男性の像で「ペスタロッチ(Pestalozzi)」とありました。

 “ペスタロッチ”と聞いてピンと来られる方は、おそらく現在教職についていらっしゃるか、そうでなくても学生時代に教職課程を勉強されていた(もしくは現在進行形で勉強中)方なのだと思います。


広場にあるペスタロッチの像

広場にあるペスタロッチの像

 教育者ペスタロッチ(Johann Heinrich Pestalozzi)はスイスのチューリッヒ出身。ジュネーブ出身のジャン・ジャック・ルソーの思想に強く感銘を受けました。

 日本でも教育学の授業ではこれでもか、というほど登場する教育者の一人で、有名な著作には「隠者の夕暮れ」「ゲルトルートは如何にしてその子等を教えるか」、「リーンハルトとゲルトルート」、「白鳥の歌」などがあります。

 ペスタロッチの時代はフランス革命が起きた時代でもありました。そのため隣国スイスもフランス革命の多大な影響を受け、革命の波に飲まれていきます。


町の広場。左手にはイヴェルドン城の一部が見えます

町の広場。左手にはイヴェルドン城の一部が見えます

 この時の革命で親をなくし、孤児となった子どもたちが多くいて、そこからベルン州などで孤児院の院長となったり、イヴェルドンで教育機関をオープンしたりして、子どもたちや教員養成のための教育に力を入れました。

 イヴェルドンの学校は資金繰りが上手くいかなくなり、25年後に閉園となってしまいましたが、かつて学校があったイヴェルドン城内には、彼の生涯と業績を紹介した部屋がありますので、興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。



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