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思わぬ来賓の講演で驚いた台湾観光協会67周年記念総会
2024.01.12 up
中華文化總會の李厚慶秘書長の基調講演
前年に続き、台湾観光協会の設立67周年記念の総会に出席しました。
担当の方から案内をいただいた当初は、前年同様の総会のプログラムで、割と気軽に行けるだろうと思って準備をしていたら、前日に変更の案内が届きました。入場時に安全検査が行われる旨が記され、来賓のスピーチと基調講演の時間が変更されていました。入場時に安全検査が行われる時点で、総統・副総統・行政院院長のいずれかが訪問することが確定しているわけで、その場での展開が想像できるものになりました。
カメラを持ち込むと色々面倒なので、撮影はスマホで行い、会場後方に設けられた記者席で聴講するような感覚で行きました。入場に関する制限はあったのですが、主催者側の担当の方の助けもあり、どうにか入場することができました。
【参考】
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=202212270441
昨年来台した東京農業大学第二高校(以下、農大二高)の吹奏楽部の説明
プログラムは二部編成で、前半は台湾観光協会の葉菊蘭会長、交通部の王國材部長、行政院の鄭文燦副院長らのあいさつから始まり、中華文化總會の李厚慶秘書長による基調講演が行われました。
テーマは「台湾の魅力をどのようにして伝えるか」で、その中で紹介されたのは、新型コロナウイルスの感染拡大による閉鎖状態から、台湾の魅力を海外へどうやって伝えていくか、という中華文化總會の試みについてでした。そのうちの一つに「インフルエンサーの総統府お泊まり体験」というものがあり、その内容の紹介もありましたが、一番目を引いたのが日本絡みのものでした。
アバンギャルディの紹介
京都橘高校吹奏楽部の訪問の舞台裏、2023年の國慶日に招待した農大二高の吹奏楽部の様子などを簡単に紹介していました。総会開催時、京都橘高校の吹奏楽部は台北に来ており、前日には北一女を訪問して国際交流を行っていたので特に注意して聞いていました。
印象に残っているのは、夜食の用意の際、マクドナルドのチキンマックナゲットについている台湾オリジナルの「タン醋醬」という甘酸っぱいソースを知らないということで、体験してもらおうと用意し、そのついでに台湾オリジナルのトートバッグも人数分手配したというお話でした。
最後に、昨年アメリカ・NBCの「America's Got Talent(略称AGT)」というオーディション番組の出演で名前が知られるようになったダンスユニット「アバンギャルディ」が11月に台湾を訪れ、48時間滞在し、2月の旧暦の大晦日に放送される特番の収録を行った際の様子も紹介し、海外のあらゆる分野のインフルエンサーを介して台湾観光の魅力を配信していく姿勢について話しました。
頼清徳副総統のスピーチ
前出の安全検査が行われた最大の理由は、頼清徳副総統の訪問とスピーチが設けられたからでした。頼副総統は、選挙を間近に控えていることもあってか、台湾の観光と観光業の振興と未来について、分かりやすく丁寧に語りました。その中には中国と中国人観光客の観光について言及したものもあり、日本で報道されているような対中強硬姿勢の民進党像、頼清徳像とは違う一面も見せていました。
実現するか否か、可能か否かは別で、未来をしっかり見据え、決して民間だけの努力で終わらせない、という姿勢を強く打ち出した内容でした。
第二部のGSTC・R o i A r i e l ゼネラルマネージャーの基調講演
頼清徳副総統の基調講演で第一部終了となったのですが、終了後、来賓も取材に来たメディアも半分以上が会場を後にし、前方には空席が目立ちました。
第二部は、「Sustainable Tourism as the Future of Tourism(直訳:持続可能な観光業の未来)」というテーマの英語による基調講演が行われましたが、空席を見て寂しい気持ちになりました。
ちなみに、Roi Arielさんの所属先の「GSTC」は、 グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(The Global Sustainable Tourism Council)の略称で、持続可能な観光の認証を行う機関です。日本では、日本航空やJ T Bが認証を受けています。
恥ずかしながら、私自身はじめて知った組織と考えで、この基調講演を聞きながら視野を広げるきっかけを作ったような気がしました。そのため、それを聞かずに帰るのは少々もったいない気がしました。何より、お話しされているArielさんがどのようのお気持ちでいるのか、気の毒でなりませんでした。
以上、嵐が過ぎ去った後のような会場に最後まで留まり、見ていたものの報告でした。
聞いた話ですが、台湾の物価、特にホテルの価格が新型コロナウイルス感染拡大時前と比べ、更に上がってしまったことに加え、折からの円安で日本人観光客の足がこれまで以上に遠ざかっているそうです。私自身、よくわからないことですが、この辺りの答えがどのような形で出てくるか、今年は注目していきたいと考えています。
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