
川の中から何か不思議な動物が出没
リバークルーズ船内を探検しているうち、気づけば夕食の時間になったので、早速船内レストランで夕食ブッフェをいただくことに。
食事中、隣のテーブルにいたオーストリアからのご婦人二人組が突然、「外見て!ビーバーがいる!」と声をあげました。そこで周りの乗客やスタッフたちもみんな、レストランの窓から川の土手を見ると、確かにネコぐらいの大きさの生き物が水中から岸に上がろうとしています。
多くの人に注目されているとも知らず、土手の雑草を美味しそうに食べ出すナゾの生物。ネズミのような尻尾で、前歯がオレンジ色だったので、残念ながらビーバーではなくてヌートリアだったようです。

多くの人から見られていることに気づき、硬直している(?)ヌートリア
日本でも本州の西日本エリア中心に、小川や田んぼがあるのどかな地域ではこのヌートリアが繁殖しており、害獣扱いになっていると聞きますが、ケルンのような都市で見かけるとは思わなかったので少し驚きました。なんでもこの辺りは冬でも温暖で、天敵もおらず、餌が十分にある環境であることから、ヌートリアにとって暮らしやすい場所なのだとか。
お腹いっぱいになったのか、再び水中へ入って初めて船から人々に好奇の目で見られていることに気づいたヌートリア。1分ほどその場で動かず固まっていましたが、そのうち危害を加えられないと分かったのか、再びスイスイと泳いで去っていきました。

夕暮れのライン川
さて、ケルン出港時間は夜9時ということで、まだ時間があったので夕食後はライン川沿いの遊歩道をぶらっと歩いてみることにしました。夏休み中だからか若者たちの姿が多く、川の土手の堤防に座って語らう人たち、遊んでいる小さな子どもたちなどがいて、のんびりした雰囲気です。
ところで列車の中からすでに気になっていたのが、ホーエンツォレルン橋の歩道にぎっしりついている南京錠たち。恋人たちが永遠の愛を誓って、名前と日付を書いた錠を橋につけていく(そして鍵は川に投げ入れる)…というあれです。
ホーエンツォレルン橋に限らず、ヨーロッパの橋にはよくこういった大量の南京錠がかかっているのですが、この橋の南京錠はその数のみならず、カラフルなのでまるでアート。

ホーエンツォレルン橋にある歩道フェンスには、ぎっしり錠前が
パリのセーヌ川にあるポンデザール(le pont des Arts)という橋は、数十トンの錠前の重みで損壊したため、10年ほど前にすべての錠前を取り除き、ガラス板状のパネルに交換したそうですが、ホーエンツォレルン橋は果たして大丈夫なのでしょうか。
2020年の段階で45万個ほどの錠前が橋にぶら下がっていると推測されたそうですが、25年の現在、きっともっと増えているのでしょう。これらの錠前によって鉄橋にかかる重量は推定40トン~60トンだそうですが、それでも鉄橋そのものに直接の悪影響はないとのこと。

夕焼け空の中、クルーズ船がライン川を進みます
とはいえ、これだけ多くの錠前がぶら下がっていると橋に負担がかかるため、ドイツ鉄道は錠前の撤去を計画したことがあったようですが、このままにしてほしいという要望が多数あったとのことで、結局そのまま錠前を撤去できずにいるようです。
そうこうしているうちにいよいよ出港時間になりました。出発後は、ライン川を行く船の客室内にある窓から、夕暮れ空のケルンの街をいつまでも眺めて時を過ごしました。
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