アクセスランキング

more

スイス

スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

前の月へ

2025.8

次の月へ
S M T W T F S
     1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       

名前の通り、小さな「マメコガネ」(出典/photoAC)

名前の通り、小さな「マメコガネ」(出典/photoAC)

 数週間ほど前、軽食を取っていたカフェにあった新聞を読んでいたのですが、ある害虫がスイス各地で少しずつその生息地を広げている、という記事を見つけました。

 その害虫は日本在来種のため、スイスでは“日本のコガネムシ、甲虫(こうちゅう)”の意味を持つ「ヤーパン・ケーファー」(ドイツ語圏)、「スカラベ・ジャポネ」(フランス語圏)、「スカラベオ・ジャッポネーゼ」(イタリア語圏)と呼ばれていますが、この日本原産の害虫とはマメコガネのこと。

 実はスイスでも、数年前からこのマメコガネが各地で発生し始めており、現在問題になっています。

 一見1センチほどの、小さくてキラキラしたきれいなコガネムシに見えますが、果樹園や畑にある農作物の葉などを食い荒らしていくため、農地や果樹園の多い地域では特に駆除、そして根絶させるべく悪戦苦闘中なのです。


スイスでも、大事な農作物がマメコガネに荒らされないよう警戒が必要

スイスでも、大事な農作物がマメコガネに荒らされないよう警戒が必要

 初めてスイス国内でマメコガネが発見されたのは2017年。スイス南部イタリア語圏にあるティチーノ州で見つかって以来、侵略的外来種として駆除の対象となっています。

 日本では、鳥や他の昆虫、さらにはマメコガネの幼虫に寄生する地下細菌やモグラなどの捕食者が少なくないので、マメコガネが繁殖しにくい環境なのだそうですが、スイスではそういった天敵がほとんどいないのだとか。そんなわけで、現在のところマメコガネ大発生という状況ではなくとも、警戒をしておく必要がある…と新聞にはありました。

 そのため、もしマメコガネを発見したら捕獲して冷凍保存し、場所と発見した日時の情報と共に該当州の植物検疫の方まで連絡をしてほしいとのことですが、人によってはなかなかハードルの高い“お願い”です(苦笑)。捕らえて冷凍保存が困難な場合は、写真に撮って送っても良いらしいです。

 それでも写真を送るだけだと、その間にも農場や畑の植物がやられてしまうと思うと、今後は散歩やハイキングに行く時は、小さなチャック付きフリーザーバッグとビニール手袋も携行した方が良いのかな?と思ったりもするのでした。





レポーター「小島 瑞生」の最近の記事

「スイス」の他の記事

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives