メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 先日、NY在住リポーターの方から「エンパナーダってなあに?」というご質問&記事がありましたね。

 エンパナーダ、そうです「パンに入れちゃいました」おかず、の事です。

 この時期、メキシコのグアダラハラではどこもかしこも、この「エンパナーダ」が大売り出しされています。

 なぜなら‥


教会の前ではかならず売られています

教会の前ではかならず売られています

 カソリックの大切な宗教行事、「Semana Santaセマナ・サンタ(聖なる一週間)」が今年は3月29日から4月の4日まで。
 とくに聖木曜日からが大切で、この数日、人々はいくつもの教会を周ってお参りし、キリストの苦難を忍びます。(ちょっと日本の七福神に似てますよね)

 で、それとエンパナーダの何が関係あるんですって?

 もともと、エンパナーダとは、パンやパイ生地に具材を挟み込み、片手で簡単に食べられる形にしたもの。

 これを、数十年前にグアダラハラで主婦をしていたパン焼きが得意なアナ・マリアさん(仮名)が、「教会巡りもけっこう体力使うわぁ。お腹もすくし。じゃあ、このエンパナーダ、教会の前で売ってみようかしら?」と売り出したのが始まり。

 今では「エンパナーダ=セマナ・サンタ」と、季節ものとしてグアダラハラ市民に愛され、教会前では我も我もと台を並べるエンパナーダ屋さんが声を張り上げています。(メキシコ全体、なのかは未調査)

 


お肉以外ならなんでも入れちゃう

お肉以外ならなんでも入れちゃう

 お惣菜パンではありますが、このセマナ・サンタ時期、人々は特に肉食を嫌います。
 なので、中の具材は肉以外の辛系と、フルーツの甘系に分かれます。
 
 辛系は、ツナ(チリソースで味付けのかなりなピリ辛)、チーズ+肉厚緑唐辛子の細切れ、キノコのチリソース炒めなど。お値段は10~12ペソ、約80円前後。

 甘系は、スタンダードなイチゴジャム、パイナップルジャム、甘く煮たサツマイモ、練乳、カヘタ(ご当地名物スイーツ、ミルクを煮詰めて作った激ウマキャラメルクリーム)、甘く濃厚なクリーム、グアバジャム、などなど。こちらはちょっと安くて6~8ペソ、約50円前後。


 


甘系は、中身も甘いくせに外まで砂糖まみれ

甘系は、中身も甘いくせに外まで砂糖まみれ

 ちなみに、エンパナーダという言葉が「パン(のような皮に)入れちゃいました、包んじゃいました」なので、このセマナ・サンタのエンパナーダだけがエンパナーダではないのです。

 先日、友人と作った「ぎょうざ」も、小麦粉の皮で「包んじゃうもの」なので、「Empanada Japonesa エンパナーダ・ハポネサ 日本のエンパナーダ」、となるのです。もちろん、大好評でした。
 
 



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