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タイ:バンコク

青柳 みちよ(あおやぎ みちよ)

職業…主婦ライター

居住都市…バンコク(タイ)

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中山区にある大連駅。堂々とした構えです

中山区にある大連駅。堂々とした構えです

一見、何の関係性もないように見える3つの街、「上野」「小樽」「大連」に
実は意外な共通点があることをご存知ですか。
それは「駅」です。


両翼を広げたような形、並んだ窓も数こそ違えどそっくりです

両翼を広げたような形、並んだ窓も数こそ違えどそっくりです

この3か所の「駅舎」はデザインがとてもよく似ているのです。
「大連駅は上野駅を模して作られた」と言われますが、上野駅を良く知らない私でも写真を見れば一目瞭然、確かにソックリです。

上野駅が作られたのは1932年、大連駅はその5年後のこと。
設計者は上野駅が酒見佐市氏、大連駅は南満州鉄道の太田宗太郎氏と違いますが、利用者の流れに工夫をこらした構造に至るまで大変よく似ています。
また小樽駅も酒見佐市氏の設計によるもので、この二つと同じ頃に作られています。


広くて整然とした構内。ここに当時の面影はありません

広くて整然とした構内。ここに当時の面影はありません

当時、大連はその租借権をロシアから譲り受けた日本が治めており、そこに鉄道経営を中枢とした「日本の街づくり」が進められていました。
支線が立ち寄るのみの小さな駅を造り変え、1937年に新市街の方向に正面を据えた現在の大連駅が誕生します。
大連駅開設100年記念に合わせた改築の際にも、この上野駅そっくりの駅舎は取り壊されることなく、増改築の手を加えるだけにとどまりました。


建物の歴史を知っている人は地元にも果たしてどれくらいいるのか

建物の歴史を知っている人は地元にも果たしてどれくらいいるのか

日本人の手により、模して造られた大連駅。
たった一本の線路も日本に繋がっているわけではありませんが、同じ顔をした「駅舎」がそこにある限り、あの頃の歴史を乗せた列車は往来を続けます。
上野、小樽、大連。
この三つの街には“残された共通点”があるということを覚えておきたいものです。



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