スイス

スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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兵役を終えて、帰宅途中の民兵。スイスのあちらこちらに兵の訓練所が点在しています

兵役を終えて、帰宅途中の民兵。スイスのあちらこちらに兵の訓練所が点在しています

 スイスに住むスイス人の家には、政府や地方自治体などからしょっちゅう色々な手紙が届きます。そんな手紙たちの中に種々の『国民投票』に関するお知らせなども含まれるのですが、スイスという国は国民たちの賛否により、色々な法律が決められることが実際多いのです。
 
つい最近行われた『国民投票』のテーマは“スイス国民による銃の保持を禁じるか否か”。
銃規制なんてスイスに来るまではピンと来なかったのですが、よく考えればスイス人には兵役の義務がある国なので、自宅に銃やガスマスクなどがあるという家庭は、スイスではごく普通のことなのだとか。

 幸い公共の場で銃乱射といった悲劇を聞いたことはほとんどありませんが、それでもその支給されている銃などを使った自殺や、家族を巻き込む家庭内殺人などといった事件が起きている問題は否定できず、そこから今回の“銃規制”、つまり銃器は家庭ではなく、指定された場所に保管しておくかどうかという国民投票が行われることと相成ったのでした。


街中に立てられていた「銃保有規制にノン!悪者だけに銃を持たせますか?!」と書かれた啓発看板

街中に立てられていた「銃保有規制にノン!悪者だけに銃を持たせますか?!」と書かれた啓発看板

 果たしてその国民投票の結果はといいますと…<銃保管の規制>はせず、現行のまま各家庭で保管する、となりました。今までずっと家で銃を保管してきたのが、いわばスイスの伝統(?)の一つのようになっているので、今さら変える必要はない!という意見や、身を守る術がないとイザとなった時どう身を守ればいいのか、といった不安のようなものもあったのかもしれません。

 都市部に在住する人々が銃の規制に賛成していたのに比べ、鄙びた地方に住む多くのスイス人たちは「規制をしてほしくない」と投票しているのも、興味深い点です。

 私自身といえば、今まで銃を身近に見ることがなかったので、列車やバス内で銃をかついだ人たちと隣同士の席になったりすると、「どうしよう、銃口がこっちを向いてるよ~。弾を抜き忘れてないでしょうね、暴発しないでしょうね…?」とドキドキしてしまいます。私が銃に慣れることは、当分(一生?)ないような気がします―。





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