オランダ

オランダ:ハーレム

倉田 直子(くらた なおこ)

職業…ライター
居住都市…ハーレム(オランダ)

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スコットランドの首都エディンバラでは、毎年8月に賑やかなエディンバラ・フェスティバル(Edinburgh Festival)が開催されます。
これは様々なイベントの総称で、演劇・音楽・映画などさまざまな芸術に関するイベントの複合なのです。
街全体がお祭りムードで、期間中はあちらこちらで道路を封鎖して、屋台ストリートが設置されています。

この夏、我が家もそのフェスティバルの一翼を担う「ミリタリー・タトゥー(Military Tattoo)」を観に行きました!
名前から察せられるように軍隊関連のイベントで、
エディンバラ城のエスプラナード広場を伝統衣装のスコットランド軍楽隊と兵士が音楽を奏でながら行進したり踊ったりする華やかなイベントです。
ちなみに「タトゥー(Tattoo)」は刺青のことではなく、軍隊の「帰営ラッパ」のことで、スコットランド軍は伝統楽器バグパイプを使うことからきているようです。

1950年から毎年休まず開催されている、伝統ある恒例イベントです。
ミリタリータトゥーの公式サイト(英語)には、色々な豆知識があるので一部挙げると…


・毎年平均21万7千人がこのイベントを鑑賞し、通算で約1200万人が見学している。
・観客の約70%がスコットランド以外から来ていて、その約半分が海外から来ている。
・実会場とは別に、毎年約1億人がテレビでミリタリー・タトゥーを視聴している。
・2011年の興行収入は760万ポンドになり、13年連続でチケットは完売している。

などなど。
http://www.edintattoo.co.uk/about-the-tattoo/tattoo-fact-file より)

なにはともあれ、超巨大イベントであることは確かです。


我々が行った日は、夜9時にファンファーレと共にイベント開始です。
6月7月に比べると日照時間が短くなりましたが、それでもまだ夜9時は明るいです。


そして、ハイランド・ダンサーズによる伝統舞踊。


IMPFというモーターサイクルチームによるアクロバット走行などなど。
音楽以外にも、魅せる要素が満載です。

てっきりスコットランド軍によるバグパイプの演奏に終始するのかと思いきや、海外からの招待軍楽団がいくつか参加していました。
韓国軍楽団とチマチョゴリを着た女性ダンサー、モンゴル軍と伝統音楽奏者などアジアからのゲストもいて、不思議な親近感を覚えました。
モンゴルチームにはホーミー(モンゴル周辺民族に伝わる独特な歌唱法)歌手もいて、人生で初めて生ホーミーを聞くことができました。
そして、イベント全体を通して一番エンターテイメント性が高かったのは、ニュージーランド軍のみなさま。
何故かサングラスをかけ、「江南スタイル」演奏と乗馬ダンスを披露していました。
この日一番の歓声でしたよ。
うーん、個人的には韓国の方々にやって欲しかったですけどね!
あとメキシコ軍のフラメンコダンサーとの乱舞も大歓声でした。


そしてイベント終盤には、ダンサーを含む出演者がステージに勢ぞろいします。

このミリタリー・タトゥーが始まったのは、前述のように1950年。
まだ第二次世界大戦の終戦から5年しか経っていない時でした。
戦争で命を落とした兵士の慰霊のためのセレモニーが、60回以上を経た今も引き継がれていました。
上の写真で、エディンバラ城に赤いポピーがライトアップされている様子が分かりますでしょうか。
以前私も、この赤いポピーと戦争の関係の記事を書いたことがあります。

▼赤い花は誰のため…UKの「ポピー・アピール」
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=20111114164643

この時は主に第一次世界大戦で死傷した兵士たちへの補償をカバーするためと書きましたが、ポピーにこめた慰霊の気持ちは、どの戦争で無くなったかは関係ないのですね。

そして最後は、花火が何発も打ち上げられ、この素晴らしいエンターテインメントの幕は降りました。
本当に素晴らしいイベントで感動したのですが、出演者たちがみな軍人なのだと考えると複雑な気持ちになります。

彼らが、そして日本が戦火を交えることのないよう、平和な世の中であるよう努めたいと思います。


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5 - Comments

いとうより:

2013 年 08 月 21 日 09:38:08

いとうです。
前回のハイランズゲームに続き、盛大なイベントですね。Tattooに刺青以外の
意味があるのをしりませんでした。

サイトを見ると、チケットは約4,000円?9,000円ぐらいなんですね。(スミ
マセン)以外に高いかな、と思いましたが、内容的には盛りだくさんで
十分価値はあるかと思いました。(私なら、2万円払ってもマンUの試合が
見たいです。)

倉田直子より:

2013 年 08 月 23 日 03:33:48

いとう様
コメントありがとうございます。私もチケット購入の際には「高いな?」と思いましたが、その価値はあったと思います。
写真をすべてお見せできないのが残念なくらい、エンターテインメント性の高いイベントでした。
マンUは未見なので、これもUK在住の間に押さえたいと思います。

石田より:

2013 年 08 月 23 日 09:40:23

この会場は常設ですか?向こうに城?も見えますし、このために作られたのでしょうか?
それにしてもスゴイですね。

倉田直子より:

2013 年 08 月 25 日 06:30:00

石田様
お世話になっております。
この会場は、ミリタリー・タトゥーのための特別設置会場です。
普段は駐車場に使われているという噂を聞きました。

石田より:

2013 年 08 月 26 日 20:13:04

ということは、かなり力はいってますよね。
凄いなあ。

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