南アフリカ

南アフリカ:ヨハネスブルグ

及能 直子(きゅうの なおこ)

職業…会社員
居住都市…ヨハネスブルグ(南アフリカ)

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日本と同じく、出産・育児に関する雑誌もあります。

日本と同じく、出産・育児に関する雑誌もあります。

ここ最近、南ア出身のモナコのシャーリーン王妃、そしてイギリスのキャサリン妃と、ご懐妊のニュースが続いています。
出産と言えば、日本では昔から自然分娩が当たり前であって、自分自身もそう思っていましたが、南アではそうではなく、自ら帝王切開を選ぶ妊婦さんが多いことを南アに来て初めて知りました。南アだけでなく、世界的に帝王切開の割合は増えているそうです。

2013年の統計によると、南アでは私立の病院で出産の場合、68‐78%の赤ちゃんが帝王切開によって誕生しているとのことです。(ちなみに、南アには医療費無料の公立の病院もありますが、公立の病院でみてもらえるのは所得の低い人のみに限られる為、ある程度の収入がある人は私立の病院に行くことになります。)
この割合のうち、すべての人が自らの希望で選択しているわけでなく、やむ負えない理由で帝王切開となるケースもあると思うので、一概には言えませんが、数字で見るとかなり高い割合であることがわかります。
実際に、私の周りの出産経験者に話を聞くと、帝王切開による出産が多いです。むしろ、帝王切開をすすめられるくらいです。

では、帝王切開のメリットは何でしょうか?自然分娩が可能であるのにもかかわらず帝王切開を自ら選択した南ア人の知り合い何人かに聞くと、陣痛の痛みの無さというのはもちろんですが、出産スケジュールを調整できるという点だそうです。確かに、予定帝王切開は手術時間と日にちが決められるので、それに合わせて出産準備を計画的に済ませておくことができ、出産に立ち会う父親の仕事のスケジュールが調整できますよね(こちらでは、父親の立ち会い出産が普通です)。さらに、こちらの病院では、出産には自分のかかりつけの産婦人科医が執り行いますが、スケジュール調整が可能というのは医師にとっても同じで、医師にとっても夜中や休日に突然の呼び出しの無い予定帝王切開の方が都合がよく、医師によっては必要もないのに帝王切開を最初からすすめてくる場合もあるそうです。スケジュール調整を重要視する点は、なんとも、欧米的な合理的な考え方だと思います。

ただ、帝王切開にもデメリットはあり、産道を通らずに生まれる関係で、赤ちゃんの自発呼吸に問題が出る場合が自然分娩より高い確率で起こるそうです。そして、帝王切開は大きな開腹手術であるので、母親は手術後の傷の痛みに苦しんだり、傷口から感染症にかかるというリスクもあるそうです。

これらを踏まえ、出産方法を選択するとすれば、安易に帝王切開を選ばずに、自然分娩ができるのであれば自然分娩を希望したいというのが私の考えですが、どちらにせよ、10か月もの間、お腹の中で赤ちゃんを育ててきたという事実は変わらず、赤ちゃんの誕生を待ちわびる母親の気持ちは同じであることを考えると、出産方法が違っても無事出産できたときの感動と喜びの感じ方は、変わらないものだと思います。


海外で出産する日本人は、在留地の日本大使館から母子手帳の発行を受けることができます(海外版)。

海外で出産する日本人は、在留地の日本大使館から母子手帳の発行を受けることができます(海外版)。





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