ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 安倍晋三首相が8月1日、初めてブラジルを訪問した。現職首相では小泉純一郎首相(当時)以来10年ぶりだ。祖父の岸信介首相(当時)が1959年7月、父・晋太郎氏も外務大臣在任中に訪問している。首都ブラジリアではルセフ大統領と農業開発、港湾インフラ整備、医療・保健、海上プラットフォーム建設などの大型共同プロジェクトに調印した。


 首相は翌2日午後、日本移民史料館を見学した後、ブラジル日本文化福祉協会大講堂で1100人を前に15分ほどあいさつ。「勤勉さや誠実さを受け継いだ日系人の皆さんはブラジル社会で信頼されている。このことを日本の日本人は意識しなければならない。東日本大震災では6億円を送ってくれ、感激した。ブラジルとの関係をより深めていきたい」。また、「55年前に祖父が来たとき、日系人の皆さんに良くしていただいた。『政治家として人前で涙を流したことはないが、この時ばかりは流れる涙を止めることができなかった』と言っていました」と語った。


 45年後の04年9月、今度は小泉首相があいさつの冒頭、移住者の苦労を思い、感極まって大粒の涙を流した。無理もない。従兄弟に当たる井料堅治さん(79歳。獣医師)が長年、サンパウロ市に住む。「小泉流パーフォーマンス」と捉える向きもあったが、それはないだろう。親戚がブラジルに移住し、その苦労の過程を聞いた人間なら当然のことだ。


 安倍首相のブラジル訪問は、習近平主席やプーチン大統領に遅れること2週間後。中国は大豆や鉄鉱石、ロシアは牛肉などの資源・食糧確保でブラジルに急接近し始めている。動きが迅速だ。日本もブラジルとの関係を緊密にしておかなければならない。



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