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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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前日リハーサルの様子

前日リハーサルの様子

 過去3年、台北市立第一女子高級中學(以下、略称の北一女)の卒業式の様子を紹介してきました。北一女の卒業式の魅力は、ストーリー構成がしっかりしていて、最後まで飽きさせない展開になっているところですが、6月5日に行なわれた今年のは、そのストーリーが頭になかなか入っていかない展開になりました。

 


卒業式当日の正門、一見普通ですが……

卒業式当日の正門、一見普通ですが……

 卒業式実行委員会が準備している7:00前のことでした。

 いつも気合を入れ、集中して準備をしているはずのメンバーたちが、どこか落ち着かなく、そわそわした感じ。校内も、日常では感じられない張りつめた空気が漂っていました。
 その後、下見で会場に入り、場内を見渡すと、卒業式にはふさわしいとは言えない目つきが鋭く、片耳にイヤホーンをつけた体格のいい男性たちがあちこちにいて、何かをチェックしていました。


いつも入口前に用意されている特設ゲート(詳しくは下にあるURLをご参照ください)は、今年は簡素に

いつも入口前に用意されている特設ゲート(詳しくは下にあるURLをご参照ください)は、今年は簡素に

 様子があまりにもおかしいので、担当の先生に事情を伺ったら、「ああ、大きい会社の偉大な経営者の方いらっしゃるからね」と一言。私も「ふ~ん、そうなんだ」と軽く流していましたが、その言葉の本当の意味を知るまでに時間はかかりませんでした。

*過去の入口の様子は、こちらをご参照ください
(2013年)
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201369152441

(2014年)
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201461715141


入場前の卒業生が長蛇の列をつくります

入場前の卒業生が長蛇の列をつくります

 7:30の卒業生入場を前に、中にいる全ての人が、前出の“卒業式にふさわしいとは言えない”男性たちの指示で外に出されました。

 「(場内の)最終的な安全確認を行なう」ということでしたが、「仕方ないわ」という表情で待っている大人たちに対し、本番を前に会場から出された実行委員会のメンバーたちは、(安全確認のことを)事前に知らされていなかったからか、言いようのない不安に襲われ、入口の前で今にも泣き出しそうな表情でその様子を眺めました。
 


卒業生用の入口(右側)と父兄用の入口(左側)

卒業生用の入口(右側)と父兄用の入口(左側)

 その傍らでは、過去に元日の総統府前で見かけた金属探知機のゲートを組み立てているだけでなく、携帯型タイプの物も準備しているこれまた目つきの鋭い女性の姿もありました。

 これにより、会場に入る前に空港に近い水準の荷物検査を行なうことが決定。更に、いつもスムースに入場できるのが、これで大幅に遅れていきました。

 さて……

 先生の言う「大きい会社の偉大な経営者」とは、一体どんな人物なのでしょうか?

 つづく


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