メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 日本の常識や風習も、ところ変わればその意味が変わる。メキシコでも変わります。真逆に行くこともあります。

 その代表格と言っていいのが、「塩」の取り扱い。

 メキシコの「塩」に関する常識を集めてみました。


 <盛り塩なんて在り得ない!>
 
 日本では、商売繁盛や厄よけに、玄関先に盛り塩をしておくことがあります。日本では古来より、塩は「厄よけ、お清め」のためにも使われてきました。お葬式から帰宅して、家に入る前にお清め塩を肩から背後に振ったり、土俵での塩まきも有名な光景です。
 
 先日も、年明けからなにかと小さな怪我が続いたので、それとはなしに引っ越してきた家の玄関先に左右に二箇所、盛り塩をしてみました。

 家主でもある友人が訪ねてきたその途端「なにこれ!!やだ、縁起悪い!」と、なんとその盛り塩を足でババッと蹴散らすではありませんか。「誰がやったんだ!」と怒り気味の友人。
 「日本では‥」とその意味を伝えると一言、「メキシコではダメ!」とのこと。

 メキシコでは、塩には魔力が含まれていると考えているため、商売敵や憎い相手の家の玄関に、その家の住人に呪いをかけるために塩を撒く、のだそうで。

 なんと!日本と真逆の意味ではないですか!

 ということで、あえなくこの盛り塩は撤去。


お清めの盛り塩も、メキシコでは「呪い」の意味に。

お清めの盛り塩も、メキシコでは「呪い」の意味に。

 <余っても戻さない>

 日本では、料理の時などに、塩を手にとって鍋に入れても、余ればまた塩入れに戻したりします。ごく普通のことですし、「もったいない」ですよね。

 これも、メキシコではダメ!

 やはり魔力がどうの、という理由で、それを同じ場所に戻してはいけない、とのこと。
 ではどうするのか。
 流しで手をはたいて、余った塩は捨ててしまいます。


 <塩は手渡ししない>

 よく見かける光景です。
 家族、友人の集まる食事の席で「お塩、とって」。
 欧米全般的にこれは、自分で手を伸ばすことはマナー違反とされ、メキシコでも誰かに塩入れを取ってもらいます。
 その際、塩入れを手渡しで相手に渡す、相手から受け取るのもダメ!

 やはり魔力。
 魔力が人に手渡しされる、と考えられているため、取ってくれた人は一度相手の近くのテーブルに塩入れを置き、そこから相手が取る、のだそうです。サルサやお砂糖など、他のものは手渡しでも大丈夫。

 なんだか、塩に関してはあれこれ面倒くさい?感じもしますが、ところ変われば‥ということでしょう。

 学ぶことがまだまだたくさんあります。



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