台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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台北市立大同高級中學に設けられた会場

台北市立大同高級中學に設けられた会場

 以前、下記URLにて、台北市立第一女子高級中學の日本語の朗読・演説コンテストの様子を紹介しました。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201442317150

 その後、台北市のコンテストの方が気になっていたので、ずっと調べていましたが、今年は4月13日午前に行われると分かり、会場の台北市立大同高級中學へ行ってきました。

 今回は学校の許可を頂き、その様子を見てきました。


スピーチコンテストの会場

スピーチコンテストの会場

 朗読、スピーチコンテストとも甲・乙組に分かれて開催されますが、その分け方は以下の通りです。
*前出のURLで紹介したものは、こちらの誤認とみられる間違いが見つかったので、以下訂正いたします。

〈スピーチコンテスト〉
【甲組】*下記要件を全部満たすこと
1.日本語の初級段階を学習済みであること
2.両親は日本国籍でないこと

【乙組】*下記要件のいずれか一つを満たすこと
1.小学3年生以降、日本居住及び日本人学校か日本語学校に累計1年以上在籍した者
2.過去に全国大会レベルの日本語演説コンテストで、上位3位に入賞した者
3.日本語能力検定4級(今のN5相当)以上の合格者


朗読コンテストの会場

朗読コンテストの会場

 〈朗読コンテスト〉
【甲組】
第二外国語で日本語を履修している生徒で、乙組の参加要件を満たしていない者

【乙組】*下記要件のいずれか一つを満たすこと
1.国外(日本語圏)の居住1年以上
2.日本語関連の試験に合格している

 朗読・スピーチとも、上記要件に加え、台北市内の高校に在学している中華民國(注:参加要項のまま)籍の生徒で、日本語科及び応用外国語科(日本語)に在籍していないことが出場資格です。そして、各組で各校1名に参加資格が与えられます。


休憩時に、会場の外で繰り返し練習する参加者

休憩時に、会場の外で繰り返し練習する参加者

 コンテストのやり方は、以下の通りです。
*前出のURLで紹介したものは、こちらの誤認とみられる間違いが見つかったので、以下訂正いたします。

〈スピーチ〉
1.テーマと原稿は3月24日の16;00までに提出すること。提出後の変更は認められない
2.時間は原則3分までとし、開始から2分30秒時にベルを1回鳴らし、3分時に2回ベルを鳴らす。
3.2分に達しないものは採点せず、2分~2分29秒で終了した場合は3点減点、2分30秒~3分15秒は減点なし、3分16秒以上で3点減点し、強制終了となる

〈朗読〉
1.3月11日に台北市立中山女子高級中學のホームページにて公布された甲、乙各組5編の文章を用いて行う
《ちなみに、今年の文章は、甲組で芥川龍之介の「白」、宮沢賢治の「とっとべとら子」など、乙組は森鴎外の「高瀬舟」、江戸川乱歩の「人間椅子」などでした》
2.参加者は、当日読む文章を選ぶことはできず、開始5分前に会場で抽選を行い、自分が引いた文章で朗読を行う
3.時間は2分。開始から2分に達した時点でベルを鳴らし、その時点で強制終了となる

 朗読・スピーチとも私服で参加することが義務付けられ、登壇中は学校名と氏名を言う必要はありません。日本で行うと、この辺りはちょっと違うように感じますが、いかがでしょうか。


参加者の引率者や関係者の控え室

参加者の引率者や関係者の控え室

 コンテスト中、指導及び引率の先生らは参加者との接触が禁止されているので、上の写真の別室で収録されている映像を見ることになります。

 参加者は、朗読の甲組で25名、乙組で21名、スピーチは甲、乙組とも11名でしたが、各参加者ともしっかりした日本語を披露していたので、私は驚くばかりでした。

 コンテスト終了後、審査を担当した先生たちの総評の後、各組の上位5名が発表されましたが、控え室では、入賞した生徒を指導した日本人の先生たちの歓喜の姿も見られました。また、出口で生徒を迎える際には、抱擁を交わしながら涙を流す先生と、自信を持って臨んだにもかかわらず、不本意な結果に終わり、落胆している生徒の姿もありました。

 この朗読・スピーチコンテストは、今年で7回目の開催ですが、こうした活動が台湾における日本語の普及につながっているように思いました。何より、このコンテストがきっかけで、一人でも多くの方が日本語や日本の魅力を社会に広めてくれれば、と願わずにいられません。


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