フランス

フランス:パリ

別紙 敦子(べっし あつこ)

氏名=別紙敦子
職業=観光業
居住都市=パリ(フランス)とバルセロナ(スペイン)年間1:2の割合で、行き来しています。

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パリ1区シャトレ広場のパルミエ噴水の頂上

パリ1区シャトレ広場のパルミエ噴水の頂上

 パリ中心部1区にあるシャトレ広場は、市内で最もにぎやかな交差点の一つです。10月31日火曜日の17時頃、一人の男性がその中央にある大きな噴水の塔の頂上にいました。偶然通りかかった私は、その一部始終を見守りました。


消防士が頂上の像につかまっている男性に話し掛けています

消防士が頂上の像につかまっている男性に話し掛けています

 彼がいつからそこにいたのかは分かりませんが、警官が下りるよう交渉した1時間弱は、女神の周りや肩の上などに移動し続け、大変危なかしかったです。車がひっきりなしに通過するセーヌ川岸に沿った道が横にあり、もし彼がSOSを訴えていても、騒音で誰一人、気付かなかった可能性もありました。翌日のル・パリジャン紙によると、飛び降りると脅していたそうです。


 この噴水は、1806年にナポレオン1世の命で彼の勝利を記念して造られ、当時水を手に入れるのが難しかったパリ市民に無料で飲料水を提供していた喜びの場所。中央に高い柱があり、その頂(地上18メートル)に勝利の女神が金色に輝いています。


 200年前ナポレオンは、パリを世界一美しい街にしようと希望し、この噴水も4体のスフィンクスの口から水、魅力的な像が柱を囲む大変美しい仕上がりにし、この街をより美しく飾っています。まさか後世に、彼の「希望」の柱に、誰かが「絶望」のためよじ登るとは、予想もしなかったでしょう。


 彼が無事降りた時、双眼鏡でこの男性を発見し、通報した観光客と集まっていた群衆から、拍手喝采が湧き起こりました。大事にならなくて、本当に良かった。彼が、勝利の女神と一緒に見たモノは、「希望」であることを心から願います。


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