オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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 オランダでは、国内の空き巣件数を調査する際、事件性を捜査するよりも、保険会社の「空き巣関連保険金請求額」をまず調査することが先と言われます。また、最近の傾向では年末年始は特に空き巣が多いという統計結果が出
ているそうです。


隣近所との接触が必然的に多くなる住宅地が多いオランダ

隣近所との接触が必然的に多くなる住宅地が多いオランダ

 なぜ、年末年始に? クリスマスを盛大に家族で一緒に祝うキリスト教のお国柄、誰も彼も家で団らんに決まっているのに、家を空けることあるの?…と思いきや、実は隣近所に住む家族・親類にクリスマスのあいさつなどに出掛ける場合、鍵を掛けずに出てしまうためだとか。これでは、空き巣に狙われるのも無理はありません。

 クリスマスや年末は一年に一度の大イベントと思っている人が多く、ハメを外して大騒ぎする人も。「鍵なんて掛けなくても、みんな外で騒いでいるのだから」と考えてしまうとすれば、不注意による過失とも言えるかもしれません。


年末の花火大会に出掛けるのもいいが…

年末の花火大会に出掛けるのもいいが…

 加えて年末は特に、花火を打ち上げて祝うのがしきたりとなっているため、必然的に外に出る人が多いのです。花火を打ち上げるといっても、庭先で行うわけにはいかないので、近所の川べりなどへ家族全員で行くのですが、もちろん家を空けることになります。そこを狙うのが空き巣。日本からしたら考えられないようなもの、たとえば靴ベラからごみ箱まで、ごっそり盗まれることもあるとか。比較的、価値がある物、たとえば貴金属などは盗難に遭った数時間後に、一般のオークションサイトなどに掲載されていたりと、空き巣もあの手この手を使って盗みを働くようです。


 ただし過去10年間、保険金目当てでわざと盗難に遭ったと報告をするケースも急増しているとのこと。保険会社も盗難が事実に基づいたものなのか、ウソなのかを見極めるため警察の協力を仰いで詳しく調査するなど、とても大変なのだとか。空き巣犯逮捕よりも、こちらの方に忙しい警察といったところのようです。


 こうして考えてみると、年末の祝い方にも少し問題があるような気もします。ハメを外すのは個人の自由ですが、くれぐれも注意だけは怠らずに年越しができれば…と、空き巣のニュース満載(?)の地方紙などを見ながら思います。


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