オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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ドイツとオランダの国境に立つ道路標識(看板)

ドイツとオランダの国境に立つ道路標識(看板)

 ヨーロッパ大陸は言うまでもなく地続きのため、簡単に隣国に足を延ばすことができます。例えばオランダはベルギーとドイツの2国と国境を接しているのですが、もちろん国境付近に行けば徒歩でも自動車でも簡単に国境を超えることができます。特に国境付近の住民たちは、買い物をする際に安売りをしている方の国に行ってリーズナブルに購入したり、ガソリンが安い方の国で満タンにしたりと、国境に住むメリットもたくさんあります。何しろ、徒歩や自転車、そして自動車で気軽に隣の国に行けるため、週末の小旅行にもとても便利。キャンプや観光旅行好きにはたまらない魅力を持つ地域、それが国境付近なのです。


両国の言葉で表示されている自転車ルートの標識

両国の言葉で表示されている自転車ルートの標識

 ドイツもベルギーもオランダも、3国の国境付近にある街や村はお互いそのメリットを有効に駆使していますが、2019年からはちょっとした変化がありそうで、この国境での状況も少々変わりつつある様相を呈しています。


 というのは、ドイツが高速道路の全面有料化を実施すると発表したからなのです。特にオランダは、ドイツと国境を接している恩恵を受けています。ドイツはオランダにとって第一の輸出国。これまでは自由に高速道路を使用して輸出入を行ってきましたが、あと1年ほどで状況が変わってしまうのです。


ドイツ国境に入る高速道路の手前に建てられた標識

ドイツ国境に入る高速道路の手前に建てられた標識

 そこでオランダ政府は現在、この高速道路有料化に反対するために欧州裁判所へ提訴することになりました。というのは、ドイツで登録されている車は有料道路を使用しても、その金額は税金の戻りとなるため、結果としてはドイツ国内で道路を利用する外国登録ナンバーの車のみが料金を支払うことになるわけです。


 オランダ政府は、このドイツの道路使用有料化は、ヨーロッパ諸国内の自由移動を可能にするために欧州共同体が存在するという基本的なEUの趣旨に反するとして反対を唱えているのです。あと1年後に、国境の街や村はどうなるのか? ちょっとした経済問題にも発展しかねないとして、今後の見通しに注目が集まっています。


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