先日、セシールが道場へ遊びに来てくれた。彼女は今、ママさん業で忙しく本気剣道はしばらくやっていない。

　それでも剣道は大好きで、よく遊びに来てくれる。彼女が稽古を見学後、パスカル先生に「パスカルー、帰るね。ありがとっ」と目配せでウィンクしたところ、先生がパパっと彼女の元に駆け寄り、お別れのあいさつほっぺにチュー。

　ここはフランスなので、チューはただのあいさつ。お辞儀のようなものだ。
私もフランスでは、誰に対してもほっぺにチューのあいさつをしている。

　ただ、剣道場で先生が、袴（はかま）を着たまま、竹刀を持ったまま、女性へチューをするのが、何だかすごくミスマッチで、あっけにとられてしまった。

　日本だったら、チューどころか剣道の先輩や先生へため口は言語道断。もちろん職場でも同じこと。

　彼ら、剣道家である前にフランス人だ…。まぁ、当たり前といえば当たり前か。

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