オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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発展途上国のみならず、世界中のどの国にもあるローカルな地域にとって、観光収入は非常に貴重な資金源となっていると思います。しかし、こうした国々や地域の『観光地』と銘打った場所では、メジャー企業が経営するホテルが幅を利かせていることが少なくありません。もちろん、中には現地の人びとが経営するホテルもありますが、どちらかというと影に隠れた存在といえるでしょう。年齢的に若い層(20代~30代)の人たちは、隠れた存在のとっておき宿泊施設を厳選して特別な旅行を体験したい!という傾向にあるようですが、家族連れの旅行ともなると、子どもたちが楽しめる施設が併設されている場所や、安全な宿泊施設を選ぶ傾向にあります。また、シルバー世代も同様で、『少し高い宿泊料金を払ってもいいから、快適で安全なところを』希望する人たちがほとんどです。


こんなハンモックで昼寝ができるのも、旅先ならでは。(画像提供:Dreis)

こんなハンモックで昼寝ができるのも、旅先ならでは。(画像提供:Dreis)

オランダでは普通、有給休暇が3週間取得できまるため、子どもを持つサラリーマン・ウーマンたちはほとんどが子どもたちの夏休みに合わせて7月~8月にまとめて休暇を取ります。その際、旅行に行くのが夏休みの主流ですが、やはり、子どもたちを中心に行先を決め、ホテルを予約し・・・という流れになります。となるとやはり、行先で『現地の人のように』過ごすといったような特別な旅行よりも、子どもが喜ぶような楽しい施設が近場にあるメジャーなホテルで楽に過ごしたい、ということになってしまうのです。


シルバー世代は、定年退職後の人たちがほとんどですから、もちろんいつでも旅行へ行ける余裕はあります。しかし、健康面や観光地へのアクセスの良さなどと考慮にいれると、やはり、大手ホテルで快適に過ごすのが当たり前といった感じです。


南米コロンビアの地元民経営によるホテル。(画像提供:Dreis)

南米コロンビアの地元民経営によるホテル。(画像提供:Dreis)

しかし、それでは訪問国の『真の姿』に触れることはあまりできません。これを覆すべく、現地人の経営するホテルへ率先して宿泊を!と謳いつつ、イニシアティブを取って話題となったのが、オランダに本社を置く『Sleeping with Locals』(意訳:現地の人たちの家に宿泊しよう!)という旅行会社です。この会社の経営者は、マリーケとマリーレーンという、うら若きオランダ人姉妹。商業主義に走りやすい、旅行関連企事業への疑問と現地の方々への感謝の気持ちに端を発して彼女たちが考案し、独自に企画されたアイディアは、新しいバカンス・ビジネスのモデルとして国内ならずとも、諸外国でも新し旅行のモデルとして注目されています。


この旅行会社が提供するのは、安全かつ旅行者の希望にかなう楽しくて忘れがたい旅程です。たとえば、子供連れの親子には、やはり同じく子どもがいる経営者による現地ホテルを提供し、実際に子供たちと触れ合えるような旅程を組むのです。シルバー世代のためには、彼らの要望をかなえることができるような(例えば医療機関が身近にある、など)地元の宿泊施設を選びます。旅行の仕方もそれぞれですが、このように社会献上を促せるような旅の手伝いをビジネス化させたことに意義があるといえそうです。


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