ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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チベットハウス・ブラジルのタンカ展で展示されている作品

チベットハウス・ブラジルのタンカ展で展示されている作品

 昨年末から年明けにかけて、身近な人がオミクロン株など新型コロナに感染する話題をよく聞くようになったサンパウロ。それでも、子どもたちはワクチン接種もすすみ、学校が対面授業で始まりました。同時に、人数は制限されながらも各種イベントが対面で実施されることが増えてきました。

 2月3日から17日までサンパウロ市内で開催されているイベントの一つが、チベットハウス・ブラジルでの「タンカ展」です。タンカはチベット仏教の仏画の掛け軸の総称です。


チベットハウス・ブラジルでのタンカ展

チベットハウス・ブラジルでのタンカ展

 パンデミックに入ってからも毎月オンラインで様々なチベット文化のイベントを実施してきたチベットハウス・ブラジルですが、2020年3月にブラジルがパンデミックに入ってからは初の対面イベントになります。

 開催に当たって、サンパウロ市文化局の職員などもオープニングセレモニーに訪れました。オープニングでは、チベットハウス・ブラジルの所長ジグメ・ツェリンさんと関係者が赤と黄色のチベット式のテープほどきを行いました。


チベットハウス・ブラジルでのタンカ展の開幕の様子

チベットハウス・ブラジルでのタンカ展の開幕の様子

 今回のタンカ展の作家は、ブータン生まれのンガワン・チョキ・ロデイNgawang Choki Lodayさんです。ンガワンさんはブータンの首都ティンプーにあるチョキ伝統美術学校で学びました。 ブラジルに移住する前まで、ブータン、ネパール、インドのさまざまな仏教寺院で15年間、壁画やタンカを専門に描く仏画アーティストとして働いてきました。

 特に伝統的なチベット芸術に大きな才能を発揮し、サンパウロ州コチア市にあるチベット仏教寺院のアーティストとして招聘され、現在はブラジル人女性として仏画アーティストとしての活動を続けています。


チベットハウス・ブラジルのタンカ展に出展したンガワン・チョキ・ロデイさん

チベットハウス・ブラジルのタンカ展に出展したンガワン・チョキ・ロデイさん

 タンカ展では、タンカを描くための白土を塗った綿布の作り方から、下書きの方法、使用する顔料、完成した作品まで、充実した展示内容になっています。開催期間中には、ンガワンさんによる仏画制作のワークショップもあります。

 現在、ブラジルにはチベット出身者は3人しかいません。その内の一人であるリオグランデ・ド・スル州トレス・コロアス在住で、仏画アーティストであり南米で唯一のチベット料理店を営業しているオギェン・シャケさんもオープンングセレモニーで講演を行いました。オギェンさんは3月初頭にはトレス・コロアスでチベットの新年を祝うイベントを開催します。オミクロンなどの心配はぬぐい切れませんが、今年はブラジル各地で新型コロナに注意を払いながら様々な文化イベントが再開されていきそうな見通しです。


チベットハウス・ブラジルのタンカ展に展示された顔料などを見るサンパウロ市文化局の職員

チベットハウス・ブラジルのタンカ展に展示された顔料などを見るサンパウロ市文化局の職員


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