ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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坂本哲志農林水産大臣と熊本物産協会の西田卓さん

坂本哲志農林水産大臣と熊本物産協会の西田卓さん

 坂本哲志農林水産大臣(73、熊本県)が、9月11日から14日までブラジルを訪問していました。11日にサンパウロで開催された「第5回日伯農業・食料対話」における官民合同ビジネスセミナーへの出席と12日、13日にマットグロッソ州クイアバ市で開催されたG20農業大臣会合で世界の食料安全保障について議論するのが主な目的でした。

 坂本大臣は、日伯農業・食料対話で日本食輸出プロモーションイベントに参加し、日本が今後輸出に力を入れたい北海道産のホタテ、広島産と岡山産のカキ、九州の焼酎について紹介するとともに、ブラジル北部の食材であるアサイー(ヤシの実)と味噌を組み合わせたソースで食べるブリや、しょう油の代わりにトゥクピー・プレット(キャッサバから作られる液状の食材)を使用した茶碗蒸しを試食して、日伯の食の交流が行われました。


熊本物産が並べられたコーナー

熊本物産が並べられたコーナー

 日本食輸出プロモーションイベントでは、セミナー会場に隣接して、近年ではサンパウロでもより高品質な日本のお酒が注目されるようになったことから、日本酒や焼酎、泡盛など複数のお酒が紹介された他、広島や岡山のカキを使用した製品なども紹介されていました。

 その他に、熊本出身の坂本大臣がブラジルに来るということもあり、特に熊本物産協会が地元の特産品の紹介に力を入れていました。


熊本物産や他県の物産が並べられたコーナー

熊本物産や他県の物産が並べられたコーナー

 熊本物産協会の顔となっているのが、各国で熊本のいいものを伝えている西田卓(すぐる)さん(51、熊本県)です。トレードマークのサムライの衣装でプロモーションする姿が常に人目を惹きます。

 西田さんは16年前、米国のポートランドで開催された天皇誕生日のイベントに参加することになり、知人に「何か面白いことをやれ」と冗談を言われたことから、その時限りと思ってか加藤清正公をイメージさせるサムライの衣装を着ることになったといいます。それが大好評だったことから、以後、ライフワークである海外での熊本物産の紹介時には、お殿様の姿がトレードマークになっています。


ブラジルでもプロモーションされた熊本産の米焼酎「しろ」

ブラジルでもプロモーションされた熊本産の米焼酎「しろ」

 「日本の需要だけで熊本の企業が頭打ちにならないように、海外展開に向けて地道な活動が重要だと思っています」
と、自費を投じて熊本物産協会の活動に加わる西田さん。今年に入って様々なプロモーションイベントに参加するためにブラジルに来たのは4回目です。その甲斐あって、サンパウロ市内の日本食販売店では熊本物産を取り扱ってもらえることになったものもあります。

 現在、210万人以上いるといわれる日系ブラジル人の先祖の出身県で、熊本県は上位3位にランクインしています。近年、日本が官民を挙げて全国のいいものを海外でPRし、ビジネスチャンスを拡大しようという動きがあります。熊本県はかつてからの海外雄飛の精神は今も健在であるかのように、プロモーションイベントでは大きな存在感を示しています。


第5回日伯農業・食料対話に参加して壇上で話す坂本大臣

第5回日伯農業・食料対話に参加して壇上で話す坂本大臣


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