ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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バリスタに認められたオートミルクの並ぶ棚(左上の灰色の箱と右下の緑の箱)

バリスタに認められたオートミルクの並ぶ棚(左上の灰色の箱と右下の緑の箱)

 最近、ブラジルのコーヒー好きの間で注目を集めている「オートミルク」。乳製品を使わない代替飲料として2010年代後半から広まり始め、特に健康志向の消費者に人気があり、スーパーの飲料コーナーでもよく見かけるようになりました。

 オートミルクはバリスタにとっても研究対象となり、コーヒーに合う理想的な飲料として確立されつつあります。オートミルクには、濃厚さや舌触りにもバラエティーがあり、中には、「バリスタ」に選ばれたコーヒー向けの製品も現れ、一般消費者にも広く受け入れられ、スーパーで簡単に手に入る存在となりました。


オートミルク(真ん中)とオートミルクコーヒー(右)とオートミルクティー(左)

オートミルク(真ん中)とオートミルクコーヒー(右)とオートミルクティー(左)

 オートミルクの魅力は、そのクリーミーさと中立的な味わいにあります。カプチーノやラテなどのコーヒー飲料に加えると、乳製品に似た風味を持ちながらも、独特の優しい甘みを感じさせてくれるため、コーヒーの味を邪魔することなく、まろやかな飲み口を実現します。バリスタたちはこの特性に着目し、オートミルクを使ってよりおいしいコーヒーを作る方法を研究してきました。

 特に注目されたのは、オートミルクの泡立ちです。オートミルクはその成分により、非常にクリーミーな泡を作ることができます。

 このため、ラテアートの技術を駆使したカフェラテやカプチーノにも最適で、バリスタたちはそのフォームの作り方にこだわり、さらに味わいを深めるための研究を進めました。結果として、オートミルクはコーヒーとの相性が抜群であり、バリスタからも絶賛されています。


スーパーの陳列棚に並ぶプラントミートベースの飲料

スーパーの陳列棚に並ぶプラントミートベースの飲料

 また、オートミルクの人気が高まる中で、消費者の選択肢も広がり、スーパーでもさまざまなブランドが並ぶようになりました。

 オートミルクは乳製品不使用であることから、乳糖不耐症やヴィーガンの人々にとってもうれしい選択肢となり、健康志向の方々にも好まれています。そのため、オートミルクはスーパーの飲料棚でも「殿堂入り」するほどの人気商品となり、多くの家庭で日常的に使われるようになっています。

 最近では、オートミルクにカスターニャ・デ・カジュー(カシューナッツ)やブラジルナッツを加えた飲料も登場し、注目を集めています。これらのナッツは、オートミルクのまろやかさと相性が良く、栄養価も高いため、健康志向の消費者にぴったりです。クリーミーでリッチな味わいが楽しめ、コーヒーとの相性も抜群です。ホワイトソースなどの代用品として料理にも使用する人もいます。


バリスタに認められたコーヒー向けのオートミルク

バリスタに認められたコーヒー向けのオートミルク

 コーヒーショップやカフェだけでなく、家庭でも気軽に楽しめるオートミルク。バリスタたちの研究の成果が、一般消費者に広がり、コーヒーとともに楽しむ新しいスタイルとして定着しています。

 今後、さらに多くの人々に愛される飲料として、ESGビジネスとしても認められるオートミルクの存在感はますます大きくなりそうです。


オートミルクにカスターニャ・デ・カジュー(カシューナッツ)を加えた飲料

オートミルクにカスターニャ・デ・カジュー(カシューナッツ)を加えた飲料


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