ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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四旬節に特別に現れるスーパーのバカリャウ(干しダラ)・コーナー

四旬節に特別に現れるスーパーのバカリャウ(干しダラ)・コーナー

 キリスト教の暦では、カーニバルの後、復活祭までの四旬節の期間は、肉食が禁じられていたといわれます。
 現在のブラジルは牛肉大国でもあり、肉食禁止は古い慣習になってしまっている感も否めませんが、それでも、四旬節になると、スーパーから肉屋さんにいたるまで、四旬節の風物料理の食材「バカリャウBACALHAU(干しダラ)」が、特別コーナーを設けて販売されるようになります。


開いたバカリャウの姿もの

開いたバカリャウの姿もの

 バカリャウ料理はブラジルの植民地時代の宗主国であるポルトガルの名物料理でもあります。バカリャウは寒流の中でおいしいものが捕れるということで、ノルウェー産やアルゼンチン産など、ブラジルで販売されているものはほとんどが輸入品です。
 ひき肉が1キロ約4レアル(約200円)で購入できるのに対し、バカリャウは姿もので平均1キロ約50レアル(約2500円)もする高価な食材です。それでも、ブラジル人家庭の多くは、特に復活祭には、キリストの復活を祝す日ということで、バカリャウ料理を食べるのが一般的になっています。


バカリャウの揚げ物はブラジルで愛好される料理です

バカリャウの揚げ物はブラジルで愛好される料理です

 ブラジルで最も親しまれるバカリャウ料理といえばバカリャウを細かくしたものをイモなどに混ぜてコロッケのようにした揚げ物です。ポルトガルでも親しまれている料理だということです。
 他にも様々なレシピが存在します。ニンニクとオリーブ油でジャガイモと卵と一緒に炒めた料理などは、イベリア半島辺りで食べられていそうな料理です。
 
 ブラジルらしいバカリャウの煮込み料理もあります。デンデ油というヤシから取れる油と、生のコリアンダーの葉っぱやココナッツミルクを加えてバカリャウを煮込む料理です。「モケッカ」と呼ばれるブラジル東北部の魚料理に由来する料理で、サンパウロの家庭でも復活祭には作る人が少なくないようです。


ジャガイモと卵を炒めたシンプルなバカリャウの家庭料理

ジャガイモと卵を炒めたシンプルなバカリャウの家庭料理


切り身にして販売されるバカリャウ

切り身にして販売されるバカリャウ


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  • 2 コメント

2 - Comments

Setsuより:

2010 年 03 月 22 日 23:23:33

同じくカソリックのメキシコでもこの時期(とクリスマス)にバカラオは大々的に売り出されていますね。
ただ、「魚の国ニッポン」から来た私にしてみたら、生臭くてとても食べられないのですが‥

 たしかにこの時期(こちらでは毎週金曜日が肉食禁止)、お母さん達はメニューに頭を悩ませているようですよ。

tomokoより:

2010 年 03 月 23 日 18:43:48

>SETSUさん
 やはり同じアメリカ大陸、カトリック国な感じですね!たら料理おいしいと思いますが、日本の魚料理のおいしいという感じじゃあないですよね!でも、ブラジルでは高級なイメージもあってかつおいしいというイメージができている感じがします。

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