ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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幼児向けの筆記体の練習帳の一部

幼児向けの筆記体の練習帳の一部

 ポルトガル語でブラジル人に手書きで文書などを書いてもらうと、日本の人なら一度は読むのを苦労したという話になることがあります。
 最初は全く失礼ながら、書き手の字が汚いから読みにくいのだと思ったりすることもありました。でも実はそういうことではなく、特に筆記体、そしてブロック体でも、日本で習うアルファベットの字体と違うことが、読みにくい要因であったことに気付くようになりました。


幼児向けの筆記体の練習帳の一部

幼児向けの筆記体の練習帳の一部

 読みにくい文字スタイルの一つが、筆記体です。
 ブラジルで「レトラ・デ・マォン」といわれる筆記体は、初等学校の2年生ぐらいから常用されています。子供が通う学校でも、先生が黒板に書いたものをノートに写す時、基本的には筆記体を使用しています。
 この筆記体が、アルファベットを1個ずつ練習する段階から、ずい分と丸字のようなフォームです。もちろん、大人になると個性も出てきて人によってバラエティーに飛んだ文字を書く人も見かけますが、多くの人は、丸字っぽい筆記体を使用しているように見えます。
 同じ筆記体でも、日本で習うような字体の筆記体しか身についていないと、ブラジル流の筆記体の文書を読むのは、慣れるまで多少の時間を要します。


ブラジルでよく見かけるタイプのアルファベットの字体の要素を備えた文字

ブラジルでよく見かけるタイプのアルファベットの字体の要素を備えた文字

 他にもアルファベットの習得で驚くことがあります。
 公立学校での話ですが、幼稚園の年長さんくらいから大文字や小文字のブロック体を練習するのですが、まずは何でも大文字ばかりで書く練習をしていました。
 小学校に上がっても最初は同じような状態が続き、そうこうしている内に筆記体を使用し始めます。すると、筆記体では大文字も小文字も書けるのに、意外とブロック体の小文字がきちんと覚えられていないということもあります。
 もちろん、時間が経てば自然とブロック体の小文字も読み書きできるようになります。ただ、その事が要因となっているのかは定かではないものの、大人になっても、大文字のブロック体だけで文章を書く人も珍しくありません。
 日本で習った英語の規則のようなもので、出だしや人の名前などの最初は大文字で、後は小文字で続けるというようなある種の常識だったものがあまり当てはまりません。そして、ブロック体の大文字ばかりが続く文書も、慣れるまでは少し読みにくいと感じることがあります。
 日本の人が読みにくいと思っても、たいていブラジル人同士では難なく読んでしまえます。同じ文化を共有している証明のようです。
 アルファベットを使用する国はたくさんあると思いますが、一般的な字体はやはり各地によって異なるものなのでしょうか?


大部分がアルファベットの大文字で書かれたノート

大部分がアルファベットの大文字で書かれたノート


ブラジルの小学3年生の子供のノート

ブラジルの小学3年生の子供のノート


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