首都ジャカルタで行われた強硬派のイスラム擁護戦線の祈とう集会=上松亮介写す
インドネシアは世界最大のイスラム人口を誇る。国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害の報を受け、ユドヨノ大統領は今後もテロとの戦いを継続する姿勢を示しました。2002年10月12日にバリ島のディスコで発生した爆弾テロ(202人死亡)はアルカイダ系組織が関与した疑いがあるとされています。国内の新聞やテレビ、インターネットメディアも連日、続報を報じており、国民の関心も高い。
「テロリズムはもう終わり」「いまに混沌とした世界が訪れるだろう」―。ビンラディン容疑者の死から数日後の地元英字紙の投書欄。殺害を歓迎する意見や報復テロを警戒する呼び掛け、あからさまに米国を敵視する意見など、老若男女さまざまなインドネシア人の声が掲載されました。国際研究機関の研究員は「一部グループによる報復テロが行われる可能性がある」と推測。インドネシアのテロ組織からビンラディン容疑者が評価されていたことを指摘しました。
国内のイスラム団体や政府の見方はどうか。死を歓迎的に受け止める反応がある一方、イスラム強硬派からは殺害に批判的な見方も。
「ビンラディンの死は、人々のイスラムのイメージを暴力や過激派から遠ざけるだろう」と述べたのは、穏健派で国内最大のイスラム団体「ナフダトゥール・ウラマ」(NU)の議長。国家テロ対策委員会の副局長は、ビンラディン容疑者を「世界で最も危険な男」とした上で、死を歓迎しました。
一方、強硬派のイスラム擁護戦線は、首都ジャカルタの事務所で祈とう集会を開催。メンバーからは「ウサマの死を信じていない。彼はイスラム戦死の見本だ」「オバマは臆病者。ウサマは死んでいるとしても、私の心の中にいる」などの声が聞かれました。
ビンラディンの死について報じるインドネシアの地元紙
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