イタリアの数少ない国定祝祭日とローマの守護聖人の休日
2011.07.24 up
サン・ピエトロ寺院内の中央部にある聖ペテロのブロンズ像
イタリアのカレンダーをみると、日曜以外で日にちが赤くなっている祝祭日はとても少なく、年間を通してたったの11日。
そのうちの7日は宗教儀式に基づき、記念日系が3日、元旦を加えて、合計11日。
日本のように、祝祭日が日曜に当たっても振替休日という仕組みはありません。
一方日本は、毎月何かしら記念日があり、時期によっては大型連休があります。近年その記念日も週末に近づけ連休にするような形で設定され、年間を通して何か祝祭日が多いような気がします。
バチカン市国内のサン・ピエトロ寺院
イタリアはバカンス、いつでもお休みムードが漂っているように思われるかもしれませんが、実際設定されている祝祭日はとても少ないのです。
イタリアは個人が自主的に休みを取るので、あえて国が定める必要はなく、日本は個人が休みを取りとらないので、あえて国が定める必要があるのかもしれません。
国定祝祭日と国民性の面白い関係を垣間見る事が出来ます。
聖ペテロの像越しに見るサン・ピエトロ寺院の中央祭壇
イタリアの変わった祝祭日といえば、カトリック教の国らしく、暦には年間を通して毎日日替わりで祝う守護聖人の日が設定されています。それ故に、町の守護聖人の日にあたるは、その町だけが休日になります。例えば、ローマの守護聖人聖ペテロ(伊語ではサン・ピエトロ)と聖パオロの日が6月29日なので、ローマ市だけはこの日は祝日。ミラノの守護聖人聖アンブロージョの日が12月7日で、ミラノ市だけ祝日。
最終的に国定祝祭日に、この特定された町の守護聖人のお休みが加わりますが、それでも年間12日とは、とても少なく感じます。
聖ペテロ像の右足に触れようと並ぶ列
今回ローマの守護聖人聖ペテロに関わる、古くから伝わる慣わしをご紹介したいと思います。バチカン市国内にある、聖ペテロの遺体が地下の墓に埋葬されているサン・ピエトロ寺院内の中央部の正面を見て右側に「聖ペテロのブロンズ像」があります。6月29日には、同像には真っ赤なマント風の祭服を着飾られ、ローマ法王が同像の右足にキスをする儀式が行われます。通常いつもこの像には沢山の人々の行列がみられます。人々は法王への忠誠と誓約の証として、皆祈りながら同像の裸足の右足に触れようと並ぶのでした。
聖ペテロ像の右足に触れる人々
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