1990年代に人気を博したテレビ番組「料理の鉄人」が、タイバージョンとして制作され、今年の1月から放送されています。番組の構成、スタジオのデザインなどはオリジナルとほぼ同じ、鉄人は和食、洋食、中華、そしてご当地タイ料理の4人が揃い、毎週挑戦者との間に熱い戦いが繰り広げられています。

鉄人と相対する挑戦者は、3人の候補者の中から選ばれます。予選の審査員にはバイクタクシーの運転手が参加するなど、あまりにも庶民的な人選ですが、これも「庶民の味」からかけ離れまいとする番組のコンセプトなのかもしれません。
制限時間に追われながら料理をするシェフの手際には、時折り「え…」と思うようなグダグダなシーンもありますが、そんな部分も含めて楽しめる番組です。

　
「料理の鉄人」の海外バージョンと言えば、2005年にアメリカで放映された「アイアン・シェフ・アメリカ」が最初だったのではないかと思います。それから時を経て、いま放送されるに至ったタイバージョンの「料理の鉄人」は、タイの経済成長に伴う人々の美食への関心の高さの象徴と言えます。

タイは今、空前の日本食ブーム。日本食レストランが軒を連ね、人気店には平日でも行列が出来るほどです。
ちなみに「和食の鉄人」は人気寿司店のタイ人シェフ、5人の審査員の中には日本人もいます。この番組をきっかけに、タイの食文化がさらにレベルアップすることを願っています。

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