「お金か、時間か」イギリスの歯医者事情
2012.09.05 up
海外が生活の中心になって早5年目。
日本に一時帰国する際に時々、歯の定期検査をしていたのですが、ここ2年ほどそれをサボっていました。
そのつけがきてしまったのか、前歯の裏側が茶色くなっているのを発見!
痛みは全く無いのでしばらく気がつかなかったのですが、そこそこ進行していそうな虫歯でした。
「これは歯医者に行かなくてはならないレベルだ」と自己判断し、重い腰をあげて歯医者探しを始めたのです。
みなさん、なんとなく「歯科医療は日本が一番」という認識がありますよね。
ここイギリスに関してもそれは例外ではありません。
それは歯科医師のレベル…というよりも、「受診できるチャンスの違い」とでも言いましょうか。
今までも何度か「NHS」(National Health Serviceの略)という国営医療サービスについて書いてきましたが、歯科医療も基本的にはNHSが請け負っています。
ただし他の内科や外科が一切無料なのに対し、歯科だけは一部国民負担(有料)になります。
まあ、1回の治療に付き20ポンド(約2500円)程度の支払いだそうなので、それほど高額な負担ではありませんが。
NHS歯科の問題は金額ではなく、受入れてもらえる病院が圧倒的に少ないということ。
近年歯科医療に関する国からの予算が削減され、NHSの歯科医院は新規患者の受け入れができないところがほとんどなのです。
この「新規患者受入OK」の病院を探すのが一番大変なのです。
運よく新規受入(登録)させてもらえても、実際に受診できるまで2か月待たなくてはいけない…なんていうことも普通なのだとか。
そこで登場するのが、私立の歯科医院。
新規受入や受診までの期間が短くなる代わりに、全額自己負担なのでかなり高額になります。
歯を数本治療すると数十万円かかる…という噂も小耳にはさんでいました。
時間をとるか、お金をとるか。
悩んだ私は、地元でNHSの歯科と私立歯科の両方で治療を経験したことのある知人(日本人女性)に相談してみました。
彼女曰く、
「NHSの医師の技術は玉石混合。私が当たった医師は施術が雑で治る気がしなかった」
「私立の病院は丁寧。確かに高額だけど、加入している保険でお金が戻ってきた」
とのこと。
夫に確認してみると、私立歯科にかかっても、会社で加入している保険で2割負担で済むそう。
しかも知人の行きつけの私立歯科は、我が家から徒歩5分!
この立地の良さも加わり、この私立歯科に行くことに決めました。
その病院に貼られていた横断幕の写真です。
私立でもNHSでも、新規患者受入をしているところは「Accepting New Patients」と表示しているようです。
そしてどこでもそうみたいですが、初回は歯の検査と、今後の治療法や方針をドクターと話しあいます。
私の場合は、1本だけ残っていた左奥の親知らずも虫歯になっていたそうで、
「詰め物をする治療も可能だけれど、かみ合わせる下の親知らずが無いから抜くことをお勧めします。でもあなたが決めて下さい」
というように予算付きで教えてくれました。
そして私が決めた治療法は、
・親知らずの抜歯 115.5ポンド
・前歯に詰め物 75ポンド
・歯石除去 64.5ポンド
・ドクターとの面談費 70ポンド
→合計 325ポンド(約4万500円) となりました。
確かに高いですが、想像していたよりは安く収まりました。
保険がおりたら、約8000円の自己負担になるはずです。
※海外旅行保険などでは歯科治療はカバーできないことも多いようなのでご注意ください。
そして肝心のドクターの腕のほうも、かなり良かったと思います。
前歯の治療も、痕が全く分かりません。
一応女性なので、痕が残ることが気がかりだったのですが、ほっと一安心でした。
ちなみにこのドクター、お名前と言葉のアクセントから察するに、おそらくスペインの方だと思います。
イギリスの私立歯科には、外国からのドクターもたくさんいるそうです。
そしてNHSもこういう歯科治療事情を憂慮しているようで、子供に対しては「早目にNHS歯科に登録することをサポートします」という制度もあるようです。
娘が保育園から上のような用紙をもらってきました。
住所を書いてサポートを要請すると、最寄りの新規受入している歯科に登録できるようです。
大人もさることながら、子供の歯科治療も重要ですからね。
こういうサポートはありがたいです。
長々と書きましたが、要は「歯は健康に越したことがない」です。
これからは虫歯にならないように歯磨きを徹底しようと思います。
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