マンデラ元大統領の死から1年
2014.12.29 up
昨年12月5日のネルソン・マンデラ元大統領の死から1年が経ちました。
亡くなってもなお、南アではマンデラ元大統領は国民的なヒーローです。
一周忌の当日には、国が追悼セレモニーを執り行うなど(テレビ中継されました)、マンデラ元大統領の死を悼むとともに、マンデラ元大統領の功績にあらためて感謝する、多くの国民の姿がありました。
マンデラ元大統領の実績であるアパルトヘイトの廃止から20年が経ち、今の南アフリカはどうなのかと考えると、残念ながら貧富の格差は広がる一方で、国民全員が平等に豊かにはなっておらず、マンデラ元大統領が思い描いていた将来の国の姿とは、ほど遠いものがあるものと思います。政府の役人の汚職や現大統領の公金不正使用問題など、お金にまつわる不正があとを絶たないことも、自分さえ豊かになれば他人には無関心といったアフリカの権力者の現実的な姿です。南アに限らず、アフリカでは、いったん権力を握るとお金も力もすべて自分が掌握してしまう場合が多く、ゆえに独裁者が多数生まれてきた歴史があります。大部分の富が一部の権力者によって掌握され、大半は国民には還元されません。
私自身、南アに来て5年が経ち、努力だけではどうにもならない南アの現実を多く見てきました。貧困問題にしても、解決には相当の時間がかかるであろうことは明白ですが、貧しくとも明るい南ア人(黒人)の姿には元気づけられる時があります。貧しさから犯罪に走る人も多くいますが、貧しさの中でも日々真面目に明るく生きている人もいます。
一生懸命頑張っている人が、それに見合う公正な評価と地位を得られるというのは、当たり前なようで簡単なことではないのかもしれませんが、いつか本当の意味で南アフリカが平等な国になることを願わずにいられません。
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