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インドネシア:バンドン

Saori

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「Koin untuk Asustralia(オーストラリアのためのコイン)」をスローガンに、ジャカルタで募金している様子。(news.detik.comより)

「Koin untuk Asustralia(オーストラリアのためのコイン)」をスローガンに、ジャカルタで募金している様子。(news.detik.comより)

インドネシアには死刑制度があり、麻薬所持等の最高刑も死刑となります。厳しすぎると感じるかもしれませんが、インドネシアでは510万人が麻薬を使用し、1日に50人が薬物によって死亡していると言われており、この状況を改善すべく死刑を適用しています。


さて、そんなインドネシアで今国境を越えて連日ニュースをにぎわしている話題があります。麻薬を持ち込もうとした8人に死刑執行が執り行われようとしているのですが、この中にはインドネシア人以外にも、ブラジル人、フランス人、オーストラリア人など外国人も含まれていて、この中のオーストラリアの政府が「オーストラリアには死刑制度がない。なんとか恩赦を」と訴えかけました。が、インドネシア政府はノー。インドネシア国内で起こったことなので、インドネシアの法律で裁くと毅然とした態度で挑んでいました。


その後、オーストラリアのトニーアボット首相が「2004年のアチェの津波の時、オーストラリアは多大な支援をした。それに免じて死刑囚の釈放を」と訴えたことから、インドネシアの民衆が立ち上がりました。まずは、アチェの住民が「津波支援と違法薬物を天秤にかけられ気分が悪い」と、この支援金をオーストラリアに返そうじゃないかと募金活動が始まりました。今では首都ジャカルタや、果ては最東部のパプアにまでこの動きは広がっています。


Koin untuk Australia」や「Coin for Australia」は、ツイッターのハッシュタグにもなっています。読んでいると、オーストラリア人からのインドネシア擁護のコメントも見られます

Koin untuk Australia」や「Coin for Australia」は、ツイッターのハッシュタグにもなっています。読んでいると、オーストラリア人からのインドネシア擁護のコメントも見られます

インドネシア政府もこの一件でより強硬になり、二国間の関係も危ぶまれています。一般のオーストラリア人の中にも「本人が悪いのだから死刑は仕方ない」「支援を持ち出すのはどうか」という意見もあるようで、この問題がどのように解決するのか、もしくは二国間の関係悪化につながるのか注目されています。



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  • 2 コメント

2 - Comments

道下より:

2015 年 02 月 24 日 16:00:02

両国の反応、実に注目されますね。特定の犯罪がその国にとって重罪であることを知りながら罪を犯す、そして重く罰せられる。これはまさに本人の問題ですが、実は国家間の思惑や政治的背景も絡むんですね。ISによる人質事件もあったので、なんともさまざまなことを考えさせられるリポートです。

楓 彩織より:

2015 年 02 月 24 日 18:31:02

>道下さま
まさにそうですね。この場合は明らかに麻薬を持ち込もうとした本人の問題なのではないかと思いますが、首相が10年以上も前の支援まで持ち出すところを見ると国家としての必死さを感じます。バリの観光客はオーストラリアからが一番多いそうですが、バリへ渡航させないようにする!とまで言っているとか。地理的にも近い国同士なので、うまく解決してほしいものです。

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