巣立つ前の大仕事2015 ドローンが登場する卒業式
2015.06.19 up
表彰の様子
6月に入り、台湾の学校では卒業式の季節を迎えました。
高校の卒業式の様子は準備段階も含め、これまで紹介してきましたが、今年は時間が許す限り他の高校の卒業式も見てきましたので、そちらも紹介します。
今回は、一足早く5月29日に卒業式が行なわれた台北市立成功高級中學(以下、略称の成功高中)です。
成功高中は、日本統治時代の1922年に「台北州立台北第二中学校」として開校。戦前は日本人が校長を務めました。戦後、「台湾省立台北第二中學」となりましたが、その後、国姓爺合戦のモデルで1661年の台湾のオランダ人駆逐に貢献した鄭成功にあやかり、校名を「成功高級中學」と変更。1967年に台北市立となり、現在に至っています。
成功高中は、以前紹介した台北市立建國高級中學同様男子校で、各界に優秀な人材を輩出し、社会で高い評価を受けています。
また、校内にある1971年から開館した蝴蝶宮昆蟲科学博物館は、蝶を中心におよそ40,000点あまりある昆虫の標本が展示されていて、そちらも名物になっています。
あいさつを行なう李慶宗(リー・チンゾン)校長
成功高中も卒業式は実行委員会が結成され、自分たちで準備します。
「次への旅立ち」ということで、会場の体育館は飛行機の機内をイメージした装飾になっていて、李慶宗校長は機長の制服姿での登場でした。
後半ではカギを運搬するゲームも登場
卒業式は、9:00から始まり40分ほど余興のコンサートを行い、それから校長と来賓があいさつを行ない、自主製作した映像と寸劇を交えながら表彰式に入っていきます。
表彰式は、一人一人賞状を渡す形で行なわれたため、1時間ぐらいかかっていましたが、その間待機している卒業生は、仲間たちと記念撮影をしたり、制服や卒業アルバムにサインをし合うなど、自由に振る舞っていました。
その中で、私が一番驚いたのが、担任の先生が卒業証書を配布物を配るかのごとく卒業生に渡していたこと。これまで紹介してきた他の学校では見たことがない光景で、目が点になってしまいました。
ただ、卒業生の話によると、この光景は以前からあるものだということですが、頂いた卒業証書を無造作に通学カバンにつっこむ姿を見ると、「(卒業証書の)重みはどこへ行った?」と感じずにいられませんでした。
卒業証書をくくりつけたドローン
表彰式後、卒業生のあいさつが終わり、卒業証書授与が行なわれましたが、実行委員会が考えた演出が上の写真のドローン。これに卒業証書がくくりつけてあり、それを飛ばしてステージで待つ校長が受け取る予定でした。
しかし、肝心のドローンが全然動かず。それでも努力して動かそうとしますが、今度はドローンが言うことを聞かず、あっちフラフラこっちフラフラ。自分のところへ飛び込むドローンを避けるために、上にいる父兄や在校生が逃げ惑う姿もありました。
結局、ドローンはステージまで到着できず、実行委員会のメンバーが回収。ステージの上で、くくりつけた卒業証書を取り外して、卒業証書授与を行ないました。
3年生の各担任の先生へ花束贈呈
成功高中のハイライトと言えるのが、卒業証書授与の後に行なわれた各クラスの担任の先生への花束贈呈。
その前に、全24クラスの担任の先生のメッセージVTRが流れたのですが、これが40分以上の大作になり、進行が遅れていきました。更には、花束贈呈も24クラスの担任の先生一人ずつに贈呈を行なっていたので更に遅れていきました。
*メッセージVTR
https://www.youtube.com/watch?v=S5I3TAfpx-4
本来なら12:00終了の卒業式ですが、この日は12:50終了でした。
ドローンの演出、ゲームなど、楽しめる要素が多い卒業式であったのは確かですが、恩師と教え子の強固な絆を確かめられた卒業式でもありました。
*成功高中の卒業式の様子は下記URLも合わせてご参照ください。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLZpDgQv6z7QqlSmYUxsjMDWmRmUOUUb4G
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