スペイン

スペイン:バレンシア

大田 朋子(おおたともこ)

職業…ライター、エッセイスト、講演家

居住都市…ブエノスアイレス(アルゼンチン)
→ケント(イギリス)
→バレンシア(スペイン)

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「教科書のサイズに合ったカバーフィルムが支給されるだけでもマシよ」と他校に子どもを通わせるママ友に言われましたが、そんな比較は成り立つのでしょうか?

「教科書のサイズに合ったカバーフィルムが支給されるだけでもマシよ」と他校に子どもを通わせるママ友に言われましたが、そんな比較は成り立つのでしょうか?

9月から息子がスペインで小学校に通い始めました…が、わたしも受けました、噂の「洗礼」を……!噂には聞いていたけど、きわめて面倒でした。

というのは、ずばり、教科書の保護シート貼り!

幼稚園や保育園、小学校が始まるときに、子どもの持ち物に名前を書く作業はどこの国でも保護者の通過事例としてあると思うのですが、スペインの小学校ではその名前書きに加えて教科書にカバーフィルムを貼ることが「洗礼」として保護者に課せられます。

わが息子の小学校でも、第1週目に毎日数冊ずつ教科書と、ロールタイプのカバーフィルムを持ち帰ってきました。毎日の作業は数冊とはいえ、全部で20冊以上!クラスと名前書きは子どもにさせて、わたしも教科書のカバーつけをがんばりました…って、これはもう内職レベルの手先の器用さ要でしたよ!

アイパットやスマホに保護シートを貼るなどで経験済みの方も多いと思いますが、カバーフィルムをつける作業って、気泡が入らないようにうまく貼るのが難しい…。定規(のちに定規よりもやり易いと気づいた固いトランプカードを使用)やハンカチを使いながら、気泡をいれないように…、けっこう気を張り詰めた作業です。ふと、図書館の本にはすべてカバーフィルムがついていたことを思いだし、あの膨大な数の本に、この熟練を要す作業はいったいどこのどなた様がされているのだろう、と見えない方への尊敬まで芽生えてきたりして…。


始めはすべての教科書にフィルムを貼るつもりでいたのですが、カバーを貼る気力と忍耐がとても20数冊に対応できず、結局、わたしは通年の教科書8冊オンリーで済ませました(年々精進する心づもりです…)。というのも、息子の小学校では、通年使う教科書はカバーをつけることが義務付けられていますが、ターム(学期)ごとのテキストのフィルムつけは「任意」とのことで…。


学期ごとに使い切る教科書への保護シートは任意で。わたしはギブアップしましたが耐久性が増すのでしている保護者多々でした。

学期ごとに使い切る教科書への保護シートは任意で。わたしはギブアップしましたが耐久性が増すのでしている保護者多々でした。

ちなみに、スペインでは公立学校であっても教科書は有料です。そして、年齢が離れていない兄弟や知り合いがいて本学年に使う教科書と同じものを持っている場合は、教科書の袋を開けずに翌日学校に返せばその分は課金されません。ママ友のなかには、アマゾンで買った方が安い教科書はアマゾン買いをしている人も。子ども一人あたりにつき30ユーロくらい差が出ると言っていました。


また、息子の通う小学校を始めいくつかの小学校では数年前から、小学校5年生からはiPadが教科書の代わりとして使われ始めました。そうなると教科書代が少し経済的になると喜んでいた保護者も多かったのですが(教科書の著作権の支払いはあるがオンラインの方が安い)、iPadだと宿題をする際、子どもたちが時間を無駄に使うケースを多く見つかったことから、2年目からは教科書との併用になったのだとか。

教室でもデジタルとアナログの間のよいバランスをトライアルしている感ありです。





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