ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 十勝の皆さん、年始のお祝い酒の味はいかがだったろうか。さて、新年早々お酒に関するお話です。


サンパウロ市で開かれた「國酒」のセミナー試飲会

サンパウロ市で開かれた「國酒」のセミナー試飲会

 日本酒、本格焼酎、泡盛の三酒を日本の業界では「國酒(こくしゅ)」と言うそうだ。その中で日本酒は近年ブラジルへ輸出され、日本料理人気と共に消費が伸び始めている。
 製造会社の99%が加盟する日本酒造組合中央会(篠原成行会長)が昨年8月、サンパウロ市で「國酒」のセミナー試飲会を開催。「日本酒は2,000年、焼酎は400年ほどの歴史があり、メーカーは日本酒約1,500、焼酎と泡盛は合計600社がある」(同中央会)と紹介した。
 また、12月にはサンパウロ日本国総領事公邸で開かれた天皇誕生日祝賀会の折、中庭で「黄桜」が招待客に振る舞われた。日本政府も「國酒」輸出を積極的に後押ししている。


サンパウロ市で開かれた「國酒」のセミナー試飲会

サンパウロ市で開かれた「國酒」のセミナー試飲会

 サンパウロ市内では日本酒の「群馬・尾瀬の雪解け」、「岩手・南部美人」、「秋田・高清水」などの銘柄が大手スーパーで目につく。価格は小売り1・8リットル1本が250レアル前後(約8,000円)。米焼酎はすでに市場に出回っている。しかし、「米以外の芋や麦の焼酎は原料基準設定がなく、ブラジル国家衛生監督局(ANVISA)の輸入許可がまだ下りていない」(日本食品専門輸入会社社長)とのこと。


若い女性にも日本酒の愛飲者が増えている

若い女性にも日本酒の愛飲者が増えている

 日本酒は寿司などの日本料理に合う。徳利と杯にツマミの小鉢が調和する見栄えに、非日系ブラジル人の間では高齢男性だけでなく若い女性にも愛飲者が増えている。温めて飲む人は少なく大半は冷酒。升で静かに飲む人も多くなった。


 私事で恐縮だが、自宅では毎夕食前に日本酒を頂く。底冷えする冬に熱かん、夏は冷や酒。現在、輸入品は日本の倍以上の高値だが、日本訪問のたびに持ち帰る思いをすれば文句も言えない。「國酒」がこの国で広まるのを願っている。


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