ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…主婦
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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「Arepas Picatta SP」を営業するレステルさんとロサルバさん

「Arepas Picatta SP」を営業するレステルさんとロサルバさん

 今年に入ってからブラジルや南米諸国で大きな話題となっていることの一つが、ベネズエラの政情不安です。特にベネズエラからチリ、アルゼンチン、コロンビア、パナマといった近隣のラテンアメリカ諸国や隣接するブラジルへ人々が移動し、ブラジルでも難民申請をする人がここ1、2年で急増したというニュースが流れています。ベネズエラの現マドゥロ政権への各国からの非難は決して穏やかとは言えません。
 
 そんな中、ベネズエラの困難な状況を一たん離れ、無事に労働ビザも取得し、約1年半前からサンパウロ市内でブラジルでもあまりなじみのないベネズエラ料理「アレパス」を移動式屋台「Arepas Picatta SP」で販売しているご夫婦がいます。ベネズエラのボリバル州プエルト・オルダスから移り住んでいるレステルさん(36)とロサルバさん(34)です。


肉類と野菜たっぷりのベネズエラ名物アレパス

肉類と野菜たっぷりのベネズエラ名物アレパス

 2013年ごろから急速なインフレが進んだベネズエラでは、物価が高騰し、日用品や医薬品の不足で困る人が続出したといいます。昨年のインフレ率は年約800%、賃金の目減りも明らかです。

 ビザの問題もさることながら、数万人、数十万人のベネズエラ人が南米諸国に緊急避難で移動し、美容院や飲食店などを急きょ開店してたくましく生活し続けている話も珍しくありません。レステルさんたちも同様です。

 レステルさんはベネズエラでは大会社でライセンス管理の仕事に従事し、ロサルバさんも水力発電所で勤務していましたが、悪化する経済状況で心機一転、以前から趣味だった料理の仕事でサンパウロ暮らしに踏み出しました。

 隣国とはいえ、言語も違い、3000キロメートル以上離れた異国の地で、引っ越して間もなくから前向きに商売に精を出す姿は「たくましい!」の一言。郷里ベネズエラの困難もきっと乗り越えられるという強い希望を感じます。


アレパスなどベネズエラ名物が並ぶ「Arepas Picatta SP」のメニュー

アレパスなどベネズエラ名物が並ぶ「Arepas Picatta SP」のメニュー

 移動式屋台「Arepas Picatta SP」は流行に敏感な人が行き交う場所で営業しており、ブラジルでも珍しいアレパスに興味を示す人やサンパウロに暮らすベネズエラ人が立ち寄ります。

 ご夫婦のセンスを感じるおいしいベネズエラ名物アレパスは、トウモロコシの粉で作ったグルテンフリーの生地に野菜や肉をたっぷり挟み、新感覚のおいしいサンドイッチで好評です。

 他にもテケーニョや黒砂糖を使ったベネズエラ風のレモネードなど、ブラジルや日本でも珍しいベネズエラ料理が、思いがけずベネズエラの政情不安によって世界各地にもたらされ、うれしいような皮肉で世知辛いような世界を思わずにはいられません。 

【「Arepas Picatta SP」の参照サイト】
www.facebook.com/arepaspicattasp



ベネズエラ名物のテケーニョ

ベネズエラ名物のテケーニョ


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