アメリカ

アメリカ:リースビル

カレン・ヘンドリクソン

職業…高校の日本語教師
居住都市…ウィスコンシン州のリースビル村

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ごちそうをうらやましく見る「低所得の人」

ごちそうをうらやましく見る「低所得の人」

Food for Thoughtの意味、分かりますでしょうか。「思考の糧」や「考える材料」などのように訳されます。この間、私が働いているMadison Country Day Schoolが開催したイベントで、その意味を実感するチャンスがありました。

まず、受付でカードをもらって自分の所得が分かります。その所得によって座る場所が決まり、そしてその座る場所によって出される食べ物が決まります。くじ引きでカードをもらったので、どの取得レベルになるか、100%偶然です。


「高所得の人」のテーブルの雰囲気

「高所得の人」のテーブルの雰囲気

「高取得の人」は、ろうそくも花も飾っているテーブルに座わりました。イベントでボランティアをしている生徒がウェーターとウェートレスのように食べ物をテーブルまで運びました。
パンやサラダやパスタなど、いくら頼んでもまだまだありました。世界中の人間の15%が高取得レベルだそうですから、イベントに来た人の15%も、このグループのカードを当たりました。


「中取得の人」が座る場所

「中取得の人」が座る場所

世界で43%の人が中取得の人だからイベントでもほとんどの人はこのグループに入りました。全部の「高取得の人」が食べ物をもらってから、「中取得の人」はキッチンに残ったものをもらいに行きました。一番人気のある食べ物がなくなっていましたが、他の物がまだたくさん残っていたので、このグループの人も食べ物で全然困りませんでした。


「低取得の人」のエリア

「低取得の人」のエリア

「高取得の人」と「中取得の人」が食べている間、「低取得の人」が食べ物を出されるのを待っていました。
世界中の37%の人は低取得ですが、その中で難民やホームレスが多いことを反映するため、イベントを考えて組織した高校生が「低取得の人」をビニールシートの下で座らせることにしました。そのすし詰めのようになっている人の10%が、食べ物を待っている間に水をもらいましたが、他の人が何ももらいませんでした。他の人が飲んだり食べたりしているのをうらやましく見ること以外、何もできなかったです。


私がくじ引きで「中取得」のカードを引いてテーブルに座っていたが、息子が2人とも「低取得の人」になりました

私がくじ引きで「中取得」のカードを引いてテーブルに座っていたが、息子が2人とも「低取得の人」になりました

「低取得の人」はやっと食べ物をもらうと、バナナの葉っぱに包まれていた白いご飯でした。息子が「不公平だ」や「僕もケーキを食べたかったのに」などの文句を言いましたが、食べ物が不足している人に対して同情することはもちろん、このイベントの目的でした。

結局、残っている食べ物がキッチンから出てきて、「低取得の人」を含めて皆で食べながら話し合いました。「飢餓を終わらせるために、自分が何ができるか」の話になったら、息子が「毎週フードパントリー(低取得の人がただで食べ物がもらえる所)のために野菜を収穫して寄付する」と決心しました。夏にいつも夫の畑の仕事を手伝っている息子にとっては、これが簡単にできるけど、深い意味のあることだと思います。


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